配当金や株主優待を目的に株式投資を行っても、日々の株価の変動は気になるものです。長期投資であっても身銭を切って投資しているので、株価が気になるのは仕方ありません。
株価の変動は、企業業績のみならず日本そして世界経済全体の流れからも大きな影響を受けます。そして株価の変動は、株式のリターンに大きな影響を与えます。
よって配当や優待を目的に株式に投資した場合でも、「株価の値上がり・値下がり」は株式のリターンとしては欠かすことができない要因です。
今回は日清紡ホールディングス(3105)について、配当金や株主優待、株価もあわせた「1年前に100株を買った人の本当のリターン」を確認します。
※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています。
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1. 日清紡ホールディングス(3105)の配当金のリターンはいくらか
日清紡ホールディングスの株式を1年前に買い、持ち続けたとすると、「2022年12月期の中間配当」と、「2022年12月期の期末配当」の計2回を受け取ることができます。
なお、配当基準日を迎えた時点でリターンが確定したとします。
今回の検証では、以下のような想定となります。
- 株式の取得日:2022年5月26日
- 株式の取得価格:1004円(取得日の終値)
- 2022年12月期・中間配当:17円
- 2022年12月期・期末配当:17円
- 100株ベースの配当金のリターン:3400円
それでは次に、株主優待のリターンを計算していきます。
2. 日清紡ホールディングスの株主優待のリターンはいくらか
日清紡ホールディングスは、12月末日時点で1000株以上所有の国内居住個人株主に対し、下記のいずれかを株主優待として贈呈している。
- 日清紡コットン100%クッキングシート他不織布製品詰め合わせ(定価3000円相当)
- 環境保全や人道支援を目的とする募金への寄付(金額は3000円/人)
しかし、今回の検証では100株保有を想定しているため、優待は受け取れません。
そのため、優待のリターンは0円です。
3. 日清紡ホールディングスの株式投資のトータル・リターンはいくらか
以上、配当金と株主優待のリターンについて振り返ってきました。
次に、株価変動によるリターンを計算します。
- 株式の取得日:2022年5月26日
- 株式の取得価格:1004円(取得日の終値)
- 取得から1年後の日付:2023年5月26日
- 1年後の株価の終値:1067円
- 100株ベースの株価変動によるリターン:6300円
そして最後に、トータル・リターンを計算します。
- 配当金のリターン:3400円
- 株主優待のリターン:0円
- 株価変動によるリターン:+6300円
- トータル・リターン(金額ベース):+9700
- トータル・リターン(%ベース):+9.7%
トータル・リターンは金額ベースで+9700でした。
4. 日清紡ホールディングスの配当金の推移を確認
日清紡ホールディングス株式の年間リターンは+9.7%でした。
最後に日清紡ホールディングスの配当金の推移を確認しましょう。
配当金・株主優待・株価とそれぞれ分解して株式のリターンを確認すると、どの要素がリターンに影響を与えているか一目瞭然となります。
配当金や株主優待を目的に長期視点で投資した場合でも、株価水準を確認して、株式全体としてのリターンも把握しておきましょう。
参考資料
石井 僚一