皆さんは「紙」の新聞を読みますか? 最近は、都心の電車の中で新聞を広げるという姿はあまり目にしなくなったような気がします。その一方で、年齢を問わず、スマホ(スマートフォン)を手に何か操作をしている姿はよく目にします。今回は、新聞社が公表しているデータをもとに、新聞の発行部数を見ていきましょう。

経営者でも読まなくなった「紙」の新聞

とあるベンチャー経営者の言葉はいろいろと考えさせられます。

「私、大きな声では言えないのですが、紙の新聞をとっていないんです。正直言うと、新聞はデジタル版に会員登録して月10本無料で読めれば十分ですよ」

こういう言葉を聞くと「経営者なのだから新聞くらいは読んだ方がいいんではないのか」、「月10本程度の情報量で十分なわけがないだろう」というツッコミも聞こえてきそうですが、この経営者は続けます。

「国内外のメディアで無料で読める記事は数多くありますし、スマホのニュースキュレーションアプリで自分が気付かなかったニュースも知ることができます。情報量が減っているという感覚はありません」

朝刊単独部数は2016年は08年比で▲7%減

今、新聞の発行部数はどれくらいあるのでしょうか。

一般社団法人日本新聞協会によれば、2016年の新聞の朝刊単独発行部数は3,188万部でした。世帯数が5,581万世帯とすると、1世帯当たりの部数は0.78部となります。2000年以降を見るとピークは2008年の3,440万部であることを考えれば、2016年は2008年の水準と比較して▲7.3%減少していることとなります(注1)

新聞社ごとの発行部数はどうでしょうか。2016年12月現在として読売新聞広告局ポータルサイト「全国版:販売部数と掲載エリア」に公開されている「全国版 販売部数〈半期〉」のデータによれば、全国で最も読まれているのは読売新聞で朝刊販売部数は約900万部(世帯普及率約15%)。朝日新聞は約660万部(世帯普及率約11%)。毎日新聞が約310万部、日経新聞が約270万部と続きます(注2)

比較の対象としては適当ではないかもしれませんが、ビジネス書などが数万部売れればヒットといわれる中にあって、これだけの水準で各社の新聞が毎日刷られていることになるのです。部数を見ると読者の接点としての存在は今もなおインパクトが残ると言えます。

注1:日本新聞協会「新聞の発行部数と世帯数の推移」

注2:販売部数と世帯普及率は日本ABC協会「新聞発行社レポート 半期・普及率」2016年1~6月平均に基づく

新聞の読者層とは

では、新聞はどのような年齢層で読まれているのでしょうか。前出のソースから読売新聞の購読世帯のプロフィールを見ていきましょう。