老後の生活費を意識はしているが、準備は進んでいない
「金融リテラシー調査」は、個人の金融リテラシー(お金の知識・判断力)の現状把握を目的とする、わが国初の大規模調査です。
2016年2~3月に「知るぽると:金融広報中央委員会(事務局 日本銀行情報サービス局内)」がインターネットによる調査を実施したもので、対象は18~79歳の25,000人。「金融知識・判断力」に関する正誤問題と「行動特性・考え方等」に関する問題が組み合わされています。
調査では老後への準備状況についても各年齢層に尋ねています。50代の人に「今後必要になると意識している費用について、ご自分の場合の必要額を認識していますか」と聞いたところ、「定年後の生活費」について「認識している」と答えた人が54.4%、「認識していない」と答えた人が45.6%となっています。
また、「今後必要になると意識している費用について、資金計画をたてていますか」という問いに対しては、38.0%が「計画をたてている」と答え、62.0%が「計画をたてていない」と答えています。さらに、「今後必要になると意識している費用について、資金を確保できていますか」という問いには、28.0%が「確保できている」と答え、72.0%が「確保できていない」と答えています。
50代の人の間で、「定年後の生活費」について「認識している」と答える人が半数を超えている一方で、老後への準備状況が進んでいないことがうかがえます。
定年後の生活の認識・ワーストは島根県、資金計画・ワーストは秋田県
興味深いのは、調査の結果が都道府県別に公開されていることです。たとえば、50代の人で「定年後の生活費」について「認識している」と答えた人の割合(全国平均)は54.4%ですが、それが40.0%台の県が3つあります。ワースト(47位)は島根県(40.0%)、46位・秋田県(40.3%)、45位・山梨県(40.7%)です。