日経平均は連日で高値を更新
2023年5月2日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比34円77銭高の2万9157円95銭となりました。4日続伸、かつ3日連続で年初来高値を更新しました。5月1日には終値ベースで2万9000円を突破しました。2022年8月17日(高値引け2万9222円)以来約8カ月ぶりの高値圏となっています。
外国為替市場で円相場が1ドル=137円台後半まで円安・ドル高となっていたことから、自動車、機械など輸出関連銘柄が買われました。
今週の動きはどうなるでしょうか。円相場はその後反発し、週末には1ドル=134円80~90銭で取引を終えています。
米連邦準備理事会(FRB)は、3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の追加利上げを決めました。その後の声明で、利上げ打ち止めの可能性も示唆されたものの、年内など早期の利下げは否定されたことから、金融引き締めが長期化するとの見方が広がりました。
米株式市場のダウ工業株30種平均は、米国内での金融システム崩壊への懸念もあって、先週大きく下落しました。しかし、週末には売られていた地銀株が買い戻しの動きとなりました。また、4日に発表されたアップルの2023年1~3月期決算が市場予想を上回ったことも好感されました。
5日には4月の米雇用統計も発表されました。非農業部門の雇用者数は前月に比べ25万3000人増と市場予想(18万人増)を上回りました。米景気後退の懸念が後退したことから米株も買われる展開となりました。ダウ平均は前日比546ドル64セント高の3万3674ドル38セントで終えています。日本株も週初から底堅い展開になることが期待されます。
国内では今週、大手企業の決算が相次いで発表されます。好業績の企業を中心に物色されるでしょう。銘柄によっては日経平均にも影響を与えそうです。
8日には、新型コロナが感染症法上、季節性インフルエンザと同じ5類に分類されることになります。GWには各地で多くの観光客が訪れました。インバウンド需要も含め、関連企業の売上高への貢献が期待されます。
3万円台回復に向けて目線を上に持ちたい
先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週は、ローソク足の実体が、直近の戻り高値である3月9日の高値(2万8734円)を突破したことから、これを維持できるかどうかがポイントでした。大型連休のために、営業日が2日間しかないため、様子見傾向になることも予想されましたが、実際には週初1日に窓をあけて上昇して寄り付くとそのまま陽線になりました。翌2日も窓をあけて上昇して寄り付きました。その後は陰線となりましたが、終値では最高値を更新しました。
今後の展開はどうなるでしょうか。チャートはとてもいい形です。3月16日の安値(2万6632円)を始点に上昇トレンドラインが形成され、押し目買いが入るべきところでしっかりと押し目買いが入っています。
直近の戻り高値である3月9日の高値(2万8734円)を突破し、次の上値メドとしては2022年8月17日の高値(2万9222円)となります。そこを超えると若干の節はあるものの、2021年9月14日の高値(3万795円)あたりが視野に入ってきます。2年ぶりの3万円の大台が近づいてきました。目線を上に持ち、積極的について行きたいところです。
逆に、4月上旬から2000円あまり上昇しています。短期間で急上昇したことから、オシレーター系の指標は「買われすぎ」を示しています。このあたりで利益確定の売りなども出やすいところです。ただし、ここから調整があるとしても、25日線のある2万8400円付近を割り込まない限りは、押し目買いの好機と見ていいでしょう。
参考資料
下原 一晃