2. 日本の「富裕層」はなぜ増加傾向にあるのか
国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると令和3年度の日本の平均年収は443万円でした。
また、厚生労働省の「令和2年版厚生労働白書」によると、日本の平均年収は30年以上もの間400万円台で推移しており、大きな変化がありません。しかし、日本の「富裕層」は増加傾向にあります。
野村総合研究所の、2021年の日本における純金融資産保有額別の世帯数と資産規模を推計した研究結果によると、2013年から2021年にかけて、富裕層と超富裕層の純金融資産・世帯数ともに増加しています。
2.1 超富裕層
【2013年⇨2021年】
- 純金融資産:73兆円⇨105兆円
- 世帯数:5万4000世帯⇨9万世帯
2.2 富裕層
【2013年⇨2021年】
- 純金融資産:168兆円⇨259兆円
- 世帯数:95万3000世帯⇨139万5000世帯
日本の平均年収が変わらない中で、富裕層・超富裕層の割合が増えている要因として考えられるのは、運用商品の資産価値が上昇したことによる金融資産保有額の増加です。
また、「富裕層」や、純金融資産5000万円以上1億円未満の「準富裕層」の一部が、それぞれ1つ上の階層にアップしたことも富裕層・超富裕層の増加の要因と考えられます。