コロナによる渡航制限もほぼ終了し、外国人による爆買いが復活の兆しを見せる中、みなさまは「富裕層」のお金の使い方にどのようなイメージを持たれているでしょうか。

富裕層といえば豪快な暮らしをする印象を持たれがちですが、銀行に来られるお客様は「使うところは使い、使わないところは徹底して使わない」と決め、質素に暮らしている方もいらっしゃいます。

今回は、いわゆる「富裕層」と呼ばれる人たちの定義を確認し、元銀行員の筆者が見てきた「富裕層の共通点」をご紹介しましょう。

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1. 富裕層とは?「資産1億円超」の資産家は何%か

まずは、野村総合研究所が公表するマーケットの分類を参考に「富裕層」の定義について見ていきましょう。

世帯の保有する金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など)の合計額からローンなど負債を差し引くと「純金融資産保有額」を割り出すことができます。

この純金融資産保有額をベースに総世帯を5段階にランク付けしたものがマーケットの分類です。5つの階層の定義と、各層における世帯数・保有資産を見ていきます。

1.1 マーケットの分類(世帯の純金融資産保有額)

出所:野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計」

超富裕層(5億円以上)

→8.7万世帯/97兆円

富裕層(1億円以上5億円未満)

→124万世帯/236兆円

準富裕層(5000万円以上1億円未満)

→341万8000世帯/255兆円

アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満)

→712万1000世帯/310兆円

マス層(3000万円未満)

→4215万7000世帯/656兆円

野村総合研究所のニュースリリース(2023年3月1日公表)によると、資産1億円超の世帯は132.7万世帯、全体の約2%。

その内訳をみると、資産1億円以上~5億円未満が約2.6%(124万世帯)、5億円以上が約0.2%(8.7万世帯)で、まさに「限られた人たち」であることがわかります。

次では筆者が銀行員時代にみてきた「富裕層の共通点」を見ていきましょう。