3. 65歳以上・無職世帯の貯蓄額はいくらか
老後における生活費の不足分は貯蓄でまかなうしかありません。では、年金受給者はどれくらいの貯蓄を持っているのでしょうか。
総務省が公表する「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、世帯主が65歳以上の二人以上無職世帯の平均貯蓄額は以下のとおりです。
3.1 65歳以上・無職世帯(二人以上)の平均貯蓄額(2016年~2021年)
- 2016年:2350万円(預金1534万円・生命保険395万円・有価証券412万円・金融機関外9万円)
- 2017年:2337万円(預金1550万円・生命保険394万円・有価証券386万円・金融機関外7万円)
- 2018年:2233万円(預金1476万円・生命保険371万円・有価証券376万円・金融機関外10万円)
- 2019年:2218万円(預金1484万円・生命保険369万円・有価証券357万円・金融機関外8万円)
- 2020年:2292万円(預金1538万円・生命保険397万円・有価証券348万円・金融機関外9万円)
- 2021年:2342万円(預金1547万円・生命保険403万円・有価証券388万円・金融機関外4万円)
2021年の平均貯蓄額は2342万円です。預貯金が資産の大半を占めます。
モデル夫婦の年間に不足する生活費は36万円なので、年金生活を始めた時点の貯蓄が2342万円の場合、約65年間(2342万円÷36万円)は生活費の不足分を貯蓄でまかなうことが可能です。
4. 自分の老後をシミュレーションしよう
モデル夫婦の年金額や生活費、貯蓄額を確認しました。ただし、実際の経済事情は世帯によりさまざまです。
生活費の不足分を貯蓄だけでまかなえないようであれば、老後に向けた対策が必要です。
まずは、現状の生活を続けた場合にどのような老後を送ることになるのかシミュレーションしてみてください。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定について」
- 総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」
- 総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」
苛原 寛