円安やエネルギー価格の高騰などさまざまな要因をうけ、モノやサービスの価格が上昇しています。
この物価高を反映し、2023年度(4月分以降)の公的年金額は3年ぶりに引き上げられました。
この年金額引き上げは一見、喜ばしいことに思えますが、実際のところ昨今の物価上昇分をカバーし得るものといえるのでしょうか。
今回はシニア世代の公的年金の現状を紐解いていきたいと思います。
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冒頭で触れた通り、1月20日、厚生労働省は2023年度の年金額の例を公表しました。この引き上げが適用されるのは、6月に支給される、4月・5月分の年金からです。
1.1 新規裁定者(67歳以下の人)の年金例
- 国民年金:6万6250円(1人分 ※1)
- 厚生年金:22万4482円(夫婦2人分 ※2)
※1 老齢基礎年金の満額:20歳~60歳までの全期間(480月)年金保険料を納めた場合に受け取れる国民年金の年金額
※2 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000万円)で 40 年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準。
上記のうち、※2の厚生年金の金額は「40年間会社員として月額43万9000円を稼いだ夫の厚生年金と国民年金」と「40年間専業主婦(もしくは自営業など)だった妻」の夫婦2人分の額です。
2022年度(令和4年度)が21万9593 円。前年度比4889円の引き上げとなりました。果たしてこの値上げは私達の家計にとって、何らかの救いとなり得るでしょうか。