日経平均は6日続伸、1カ月ぶりの高値圏
2023年4月14日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比336円50銭高の2万8493円47銭となりました。6日続伸です。ファーストリテイリングが13日、2023年8月期の業績予想を上方修正し、前日比8%以上上昇、年初来高値を更新しました。1銘柄だけで日経平均を約261円も押し上げました。
米シリコンバレーバンク(SVB)破綻以来、欧米で金融システムへの不安感が広がり、日経平均も上値が重い展開が続いていましたが、3月9日以来約1カ月ぶりの高値圏となっています。
今週の動きはどうなるでしょうか。14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比143ドル22セント安の3万3886ドル47セントで終えています。FRBの高官が同日、一層の利上げが必要だと語ったことから、利上げ継続による景気悪化懸念が高まり、幅広い銘柄が売られました。
これまで日経平均はダウ平均など米国の株式市場に追随するような動きをしてきましたが、ファーストリテイリングをはじめ、好業績の個別銘柄が伸びるなど、国内のファンダメンタルズを重視するような動きになっています。米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏が大手商社株の保有株比率を引き上げたと明らかにしたことから、商社株も堅調です。伊藤忠商事、丸紅はいずれも、上場来の高値を更新しました。
5月8日には、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行します。中国でも緩和が進んでいます。国内の消費者の外出やレジャー、中国などインバウンド(訪日客)の増加にともない、ドラッグストア、百貨店、衣料、ホテル、航空・鉄道などの売り上げ向上が期待されます。
日本株は長い間、欧米の株式市場に比べて出遅れ感がありましたが、いよいよ上目線になれそうです。好業績銘柄を中心に物色したいところです。
円相場は1ドル=133円台後半と円安・ドル高傾向になっていることから、自動車・機械など輸出関連銘柄にとっては追い風となるでしょう。