不動産投資をしている会社員が増えています。

専門知識や資金力がなければ手が出せなかった不動産ですが、副業、投資への関心や老後の生活に向けた不安の高まりを背景として、平均的な所得水準の層にも不動産投資が一定程度、浸透しています。

ここでは、会社員が不動産投資をするメリットや、失敗しないための心構えについて解説します。

【注目記事】日本で「資産1億円以上の富裕層」の割合は?富裕層が「節約のためにやらないこと」3選と節約が続くワケ

1. 会社員の不動産投資が増えている

興味深いデータがあります。

株式会社GAテクノロジーズが運営するネット不動産マーケットプレイス「RENOSY(リノシー)」で発表された2022年9月の不動産投資マンスリーレポート(以下、マンスリーレポート)によると、不動産投資物件の新規購入者の実に9割近くが会社員であるというのです。

1.1 新規購入者の9割近くが会社員

このマンスリーレポートを詳しく見ていきましょう。

物件を新規に購入した人の87%が会社員でした。さらに公務員が6%別枠で集計されているため、給与で生計を立てている広い意味でのサラリーマンが9割以上を占めていることになります。

不動産投資はこれほどまで、会社員に浸透しているのです。

1.2 平均的な所得水準の人々も不動産投資に取り組んでいる

次に、年収別の割合に目を向けてみます。

購入者の年収で最も多かったのは年収1,000万円から1,200万円のゾーンで、全体の13%を占めました。

資金に余裕のある人が不動産を購入しがちな実態がうかがえます。

ただ、これに次いで年収500万円、600万円のゾーンがそれぞれ12%に上っています。

平均的な水準から必ずしも遠くない所得水準であっても、不動産投資に取り組む人々が少なくない現状が見て取れます。

また、購入者の年齢別割合でも、25歳から29歳までが最も多くなっています。

会社員、若年層、平均的な所得水準の人々も不動産投資を行っていることが裏付けられました。

2. なぜ会社員が不動産投資をするのか

不動産投資は資金に余裕のあるその道のプロが行うもので、素人はなかなか参入できないと思っていた人も、少なくないかもしれません。

閉鎖的なイメージを抱かれがちだった不動産市場へなぜ今、会社員が参加しているのか、その理由を考えていきましょう。

2.1 副業や投資をする会社員が増えている

不動産投資が浸透している背景には、副業や投資に対する関心の高さがあります。

生活水準の維持、向上ややりがいなどを目的として、副業をしたり、投資をしたりといった収入源を増やす取り組みを、国もNISAやiDeCoなど投資促進策の拡充によって後押ししようとしています。

2.2 不動産投資が副業のひとつとして認知

不動産投資は不動産を稼働させて利益を狙う投資スタイルです。

軌道に乗れば、不動産がお金を稼いでくれるため、いわゆる不労所得の一種として魅力が高まっていることも、不動産投資が会社員の間で支持を集めている一因といえるでしょう。