2022年にハウスメーカーが公表した調査結果によると、コロナ禍で犬猫を飼い始めた人、飼っている頭数を増やした人は調査対象全体の3割に上りました。

これは、賃貸の不動産投資を考えている方にとって、入居者を集める大きなヒントになるかもしれません。

今回はペット可の物件への投資を考える際のポイントと、実際の運営で注意したいポイントをそれぞれお伝えします。

【注目記事】元銀行員が語る「富裕層の共通点」資産5000万円超世帯の割合とは

1. 犬・猫との暮らしに関する意識調査とは

ハウスメーカーの一条工務店では、2022年に全国の犬猫を飼っている男女561人を対象として「犬猫との暮らしに関する意識調査」を行いました。

犬猫の熱中症を疑ったことがある人は約4割、犬猫についてSNSで発信している人は約5割など、現代人と犬猫との付き合い方がよくわかる調査になっています。

2. コロナ禍で犬・猫を飼い始めた、増やした人が約3割

この調査で特に興味深いのが、冒頭でお伝えしたコロナ禍以降に犬猫を飼い始めた、あるいは増やした
人が約3割にのぼることです。

その理由を尋ねたところ、「癒やしが欲しかった」「家族とのコミュニケーションに役立つと思った」「おうち時間を楽しく過ごしたい」などといった回答が見られました。

コロナが完全に収束する兆しが見えない現状では、こうしたペットに対する需要は今後も続くと考えられます。

3. ペット可の物件が少ない今がチャンス

2023年1月にLIFULL HOME’Sに掲載された約565万件の賃貸物件のうち、ペット相談可としているのはわずか22万7,000件。およそ4%と非常に割合が低く、需要が高まりつつある中で供給数が足りていない状況です。

確かにペット可の物件は、退去時のキズ・汚れの修繕に手間がかかることもあります。

しかし部屋の内装や運営方法の工夫によってあらかじめ対策を取っておけば、キズ・汚れは減らすことができます。

物件が少ない今こそ対策を講じた物件に投資をして、今後の増加が見込まれるニーズを先取りするという戦略も「あり」ではないでしょうか。

4. 調査結果から見える入居者の悩みを解決する

もちろん単にペット可の物件にするだけで、確実に入居者が集まるとは言い切れません。

そこで今回の調査にある、「犬や猫との暮らしで困ることは何ですか」という質問の回答に注目してみましょう。

ここに見られる悩みを解決できる物件にすれば、さらに入居者を集めやすくなるはずです。

4.1 部屋の汚れ対策を行う

犬猫との暮らしで困ることの第4位に「部屋が汚れる」という悩みがあります。

ペットがツメで壁や床を傷つけてしまったり、オシッコでシミを作ってしまったりといった悩みと考えられます。

物件の床材を傷がつきにくい耐摩耗性の高いものや、オシッコが染み込みにくい撥水性のある素材に変えると、傷やシミを防ぎやすくなります。

ただし、既存の床を張り替える方法では費用が高額になるため、既存の床の上にリフォーム用の床材を貼る方法が、費用を抑えられるという観点でおすすめです。

4.2 温度調整をしやすくする

犬猫との暮らしで困ることの第6位には「室内温度の調整」が入りました。

ペットのなかには体温調整が苦手な動物もいるため、特に夏の部屋の中を快適な温度にしたいと考える飼い主は多いかもしれません。

そこで既存のエアコンが古いようなら、新しいものに買い替えて最新の冷暖房設備があることをPRしましょう。

また、日中もエアコンを動かすとなると心配になるのが光熱費です。

実は新しいエアコンは省エネ化が進んでおり、10年前のものと比べ約17%も省エネ効果があるというデータもあります。

新しいエアコンなら光熱費を抑えながら、ペットに快適に過ごしてもらえるようになります。

4.3 光熱費を抑える内窓の導入

さらに光熱費を抑えるなら、既存の窓の内側にもう一つ窓を設ける「内窓」を設置するのもおすすめです。

外から暑さ寒さが侵入し、冷暖房した快適な温度が逃げてしまうのは大部分が窓からです。

そこで窓を2重にすることで熱の出入りが減り、エアコンの効きが良くなるのです。

もともとついている窓はマンションの共用部分であるため、交換が難しいケースがほとんどです。しかし内窓なら室内の専有部分の工事になるため、比較的簡単に工事できます。費用も窓交換より抑えられるため、おすすめの光熱費対策です。

4.4 鳴き声や足音への対策

犬猫との暮らしで困ることの第10位には「鳴き声・足音」がランクインしています。

鳴き声や足音は他の入居者や近所の住人とトラブルになりやすく、賃貸でペットを飼う人の大きな悩みの種です。

そこで物件の内装を、防音効果のあるものに替える対策を検討してみましょう。

防音性のある壁紙を内装に使うと隣への音漏れが減ります。

また、汚れ対策で紹介した、既存の床の上にリフォーム用フローリングを貼る方法も防音効果が期待できます。

先ほど説明した内窓も、外への音漏れを防げるため、まとめて工事をしておけば入居者へのアピールになるでしょう。

5. ペット可の賃貸での注意点

では実際にペット可の物件を運営していくうえで、注意したい3つのポイントをお伝えします。

5.1 修繕費を事前に伝える

ペット可物件にしたときに危惧されるのが、退出時の修繕費の問題です。

傷や汚れなどの修繕は高額になることも少なくないため、退去時に入居者に請求するとトラブルになる可能性があります。

そこで、入居時に大まかな費用の目安を伝えておけば、入居者も準備ができるため支払いやすくなるはずです。

先に費用を伝えると高額に感じて入居してもらえないのではと心配に思う方もいるかもしれません。

しかしそこで難色を示すような入居者は、退出時の支払いも渋る恐れがあります。

目安の費用を伝え、納得して入居してもらったほうが、修繕費もスムーズに支払われるのではないでしょうか。

5.2 他の部屋がペット可か確認

分譲マンションの一室を賃貸する場合、周りの部屋がペット可になっているかを確認しましょう。

管理会社がペット可にすることを了承しても、他の部屋がペット不可にしていればそこの入居者や部屋のオーナーからクレームが入る可能性があります。

所有する物件に入居者が入ってから苦情を言われれば、入居者と他のオーナーとの板挟みになってしまいます。

ペット可にする場合は所有する部屋のことだけでなく、周囲の状況もしっかり確かめて判断しましょう。

5.3 ペットの種類や頭数を決めておく

ペット可物件にする際は、ペットの種類や頭数を決めておくことをおすすめします。

たとえば鳥を飼って室内で放し飼いにされると、天井や高い位置の壁紙まで汚れてしまうことがあります。

修繕が広範囲になり、より高額な費用を入居者に請求することになってしまいます。

また蛇など人に害を与えそうなペットを飼い、逃げ出されてしまえば、マンション全体で大きな騒ぎになる可能性もあるでしょう。

ほかにも、犬や猫を同時に何頭も飼っていれば傷や汚れが増えるだけでなく、鳴き声も大きいため他の入居者とトラブルになる心配もあります。

無用のトラブルを避けるためにも、飼うペットの種類や頭数についてルールを設けるようにしましょう。

6. あえてペット不可物件を探す人を狙う

物件をペット可にする前に注意したいのが、周囲にある他の賃貸の状況です。

ペット可の物件が周りに多いようでは、せっかく部屋の改修などをしても入居者が集まらない可能性があります。

もしそうした地域でどうしても不動産投資を行うなら、あえてペット不可物件にするのも戦略の一つです。

賃貸を借りる人のなかには、動物アレルギーなどの問題であえてペット不可の物件を探す人もいるためです。

どんなニーズがあるとしても、それが取り合いになっては十分な収益が見込めません。周囲の物件をしっかり調査し、勝てる物件を選ぶようにしましょう。

7. まとめ

コロナ禍以降は家で過ごす時間が増え、家族の一員としてペットを飼いたいという人が増加しています。

単身世帯や高齢者世帯が増えるこれからは、この傾向がさらに加速していくことも予想できます。

今後はペット可物件の需要が増す可能性は高く、大きなチャンスを秘めた投資対象といえます。

ただし確実に収益を得るには、ペットを飼う人のニーズを満たす物件にしたり、周辺の競合状況を調べたりなどしっかりと計画を練ることも大切です。

一度、不動産会社に相談し、プランを立ててみてはいかがでしょうか。

※この記事はLIFULL HOME'S 不動産投資コラムより提供を受けたものです。

参考文献

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部