老後に向けて資産を増やしていくポイントとは?
70歳代の保有金融資産の約7割が銀行の普通預金や定期預金などの預貯金です。必要な時にすぐに引き出せるお金は、銀行の口座に置いておくと安心でしょう。
しかし、銀行にお金を預けておくだけでは、実質的には目減りしてしまうことも理解しておく必要があります。
帝国データバンクの調査によると、この春にも5100品目もの食品が値上がりしました。5月以降もさらに値上がりが続くようです。
元本そのものは減らないものの、様々なモノやサービスの値段が上がることで、実質的にお金の価値が下がってしまいます。
これからは、銀行にお金を「預ける」だけでなく、長期的な目線でお金を「増やす」ことが重要になってきます。
働く世代の運用に向いているのが、投資信託を毎月一定額積み立てていく「積立投資」です。
たとえば「毎月3万円・年利3%・20年間」で運用できた場合、元本720万円が約984万円にふくらみます(金融庁「資産運用シミュレーション」にて試算)。
同じ金額を同じ期間掛けるとしても、掛け方が変わると結果にも大きく影響してきます。
もちろん、運用商品なので年利3%で運用できるとは限りません。しかし、時間をかけてコツコツと継続していくことで、リスクも分散することができます。
投資金額や運用期間などは、収入やライフスタイルなどによって異なります。運用商品といってもたくさんあるので、なかなか一歩を踏み出せないという方もいるでしょう。
しかし、なるべく早いうちにスタートすることで、毎月の負担額を減らすことができます。時間を味方につけて無理なく老後に備えたいですね。
まずは、ご自身の老後について真剣に考え、情報収集をするところから始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
- 株式会社帝国データバンク「特別企画:「食品主要195社」価格改定動向調査―2023年4月」
荻野 樹