2. 遺産は残さない派が約3割

70歳代の貯蓄額について確認してきました。この貯蓄、毎月の生活費のために取り崩すのか、旅行やお買い物などの遊興費に使うのか、こどもに遺すのか。

70歳代の方々は、どのように考えているのか、見ていきましょう。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)では、年代ごとに遺産についてどのように考えているかを調査しました。

70歳代の回答結果は以下のようになっています。

《残したい派:45.2%》

  • 老後の世話をしてくれるならば、こどもに財産を残してやりたい:12.1%
  • 家業をついでくれるならば、こどもに財産を残してやりたい:2.3%
  • 老後の世話をしてくれるか、家業を継ぐか等に関わらず、こどもに財産を残してやりたい:30.8%

《社会に役立てたい派:3.9%》

  • 財産を当てにして働かなくなるといけないので、社会・公共の役に立つようにしたい:1.4%
  • 財産を残すこどもがいないので、社会・公共の役に立つようにしたい:2.5%

《財産を使い切りたい派:36.0%》

  • 財産を残すこどもがいないうえ、自分たちの人生を楽しみたいので、財産を使い切りたい:10.9%
  • こどもはいるが、自分たちの人生を楽しみたいので、財産を使い切りたい:21.3%

《その他:18.7%》

全体の約3割が「遺産は残さない派」であることがわかります。

金融資産を保有していない70歳代の中には、財産を使いきるために貯蓄をしていない方が一定数いるのかもしれません。

とはいえ、自分たちが何歳まで生きるのかがわからない以上、ある程度しっかりとした蓄えがないと、「老後破産」なんてことが起こりうるかもしれません。