日経平均は2万8000円付近で上値が重い
2023年4月7日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比45円68銭高の2万7518円31銭となりました。3日ぶりの反発ですが上げ幅はわずかでした。日経平均は前日までの2日間で800円以上下落しており、自律反発狙いの買いも入りました。しかし、同日は3月の米雇用統計が発表されるほか、米株式市場が祝日で休場となるため、様子見ムードとなり、買いは続きませんでした。東証プライムの売買代金も概算で1兆9995億円と2兆円を割り、2022年12月27日以来の薄商いとなりました。
今週の動きはどうなるでしょうか。7日はグッドフライデーのため米国の株式市場は休場でした。同日発表された3月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数は前月比23万6000人増加し、市場予想(23万8000人増)をわずかながら下回りました。一方、失業率は3.5%と前月(3.6%)より小幅に改善しました。
5日に発表された3月のADP雇用リポートでは非農業部門の雇用者数が市場予想を下回っていました。6日に発表された週間の米新規失業保険申請件数も市場予想を上回っていました。労働関連の指標が市場の想定より悪かったことから、米景気の先行き不安感が広がっていました。しかし、雇用統計が市場予想通りとなったため、過度な警戒感は後退しました。
気になるのは、この結果を受けて、米連邦準備理事会(FRB)が5月2~3日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを行うかどうかという点です。市場では一時、据え置きを予想する声もありましたが、現時点では0.25%の利上げをすると見る投資家が多いようです。
12日には米消費者物価指数(CPI)、14日には米小売売上高も発表されます。また、米銀の決算も本格化します。
国内では5月8日から新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」に移行します。大型連休や夏休みシーズンでのレジャー需要が喚起されそうです。インバウンド(訪日外国人)需要の回復も含めて、関連銘柄もウォッチしておきたいところです。