帝国データバンク「4月から1世帯「月2000 円」 食費負担増の試算」によれば、食品の値上げ品目数は2023年累計1万8544品目 (3月31日時点)です。

今年に入っても相次ぐ値上げ。特にひとりで生活するおひとりさまは不安を抱えている方もいるでしょう。

総務省統計局が公表する「令和2年国勢調査人口等基本集計結果」によると、15歳以上における未婚の割合は29.5%です。

おひとりさまは、老後も自分で家計を管理しなくてはいけません。では、おひとりさまの老後における月の生活費はいくらが相場なのでしょうか。

本記事では、おひとりさまの老後「リアルな月の生活費」を解説します。想定したい生活費以外の出費3つについても紹介するので、参考にしてみてください。

おひとりさまの老後「リアルな月の生活費」はいくらか

総務省統計局が公表する「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」によると、65歳以上単身世帯の平均消費支出は以下のとおりです。

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出所:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」

65歳以上・単身無職世帯の月の消費支出

消費支出合計    :13万2476円
 食料       :3万6322円 
 住居       :1万3090円
 光熱・水道    :1万2610円
 家具・家事用品  :5077円
 被服及び履物   :2940円
 保険医療     :8429円
 交通・通信    :1万2213円
 教養娯楽     :1万2609円
 その他の消費支出 :2万9185円

月の平均消費支出は約13万2000円です。食費の割合がもっとも多く、全体の約27%を占めています。

実際には人により支出は異なりますが、老後の家計を管理するうえでの参考にしてみてください。

【ひとりの老後】生活費以外に想定したい出費3つ

おひとりさまの老後における平均生活費を紹介しましたが、生活費以外の出費へ備えることも重要です。

生活費以外に想定したい出費3つを紹介します。

生活費以外の老後費用1.税金と社会保険料

老後は多くの人が年金を受給しますが、会社員の給与と同様に年金も税金と社会保険料がかかります。

今回は月15万円(年間180万円)の年金を受給する人の税金と社会保険料をシミュレーションしてみましょう。

シミュレーションの条件

  • 東京都練馬区に住む独身の68歳男性
  • 収入は月15万円(年間180万円)の年金のみ
  • 基礎控除と社会保険料控除以外の控除はなし

試算の結果は以下のとおりです。

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出所:筆者作成

・所得税:約3000円
(180万円ー110万円(公的年金所得控除)ー48万円(基礎控除)ー約16万6000円(社会保険料控除))×5.105%(所得税率)

・住民税:約1万3000円
(180万円ー110万円(公的年金所得控除)ー43万円(基礎控除)ー約16万6000円(社会保険料控除))×10%(住民税率)ー2500円(調整控除額)+5000円(均等割額)

・国民健康保険料:約8万1000円
・介護保険料:約8万5000円

・手取り:約161万8000円(月額13万5000円)
180万円ー3000円(所得税)ー1万3000円(住民税)ー8万1000円(国民健康保険料)ー8万5000円(介護保険料)

上記の試算によれば、月に約1万5000円(年間18万2000円)もの税金と社会保険料がかかります。

年金受給額を額面で見込んでいる人は、実際の手取りが額面よりも少なくなることに注意してください。

生活費以外の老後費用2.介護費用

他に備えておきたい費用が介護費用です。介護には多額の費用がかかります。

生命保険文化センターが公表する「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」によると、介護に要した費用のうち一時費用(住宅改造や介護用ベッドの購入など)の平均額と費用の分布は以下のとおりです。

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出所:生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」

介護費用(一時的な費用の合計)

平均費用          :74万円
・かかった費用はない        :15.8%
・15万円未満          :18.6%
・15万円以上25万円未満    :7.7%
・25万円以上50万円未満    :10.0%
・50万円以上100万円未満    :9.5%
・100万円以上150万円未満  :7.2%
・150万円以上200万円未満  :1.5%
・200万円以上            :5.6%
・不明                :24.1%

平均で74万円もの一時費用が発生します。200万円以上費用がかかったケースも5.6%あります。介護費用への備えは必要でしょう。

また、介護は一時的な費用だけでなく、毎月継続した費用も発生します。介護に要した費用のうち、毎月継続的に支払っている費用の平均額と分布は以下のとおりです。

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出所:生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」

介護費用(月額)

平均費用             :月8万3000円
・月1万円未満           :4.3%
・月1万以上2万5000円未満     :15.3%
・月2万5000円以上5万円未満    :12.3%
・月5万円以上7万5000円未満    :11.5%
・月7万5000円以上10万円未満    :4.9%
・月10万円以上12万5000円未満  :11.2%
・月12万5000円以上15万円未満  :4.1%
・月15万円以上           :16.3%
・不明              :20.2%

平均で月8万3000円もの費用がかかっています。また、介護を在宅で受ける場合と施設で受ける場合がありますが、施設で介護を受ける際の介護費用は基本的に高くなります。

それぞれの平均介護費用は以下のとおりとなります。

  • 在宅で介護を受ける場合:月4万8000円
  • 施設で介護を受ける場合:月12万2000円

出所:生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」

施設での介護を希望する人は、特に多めの介護費用に備えておきたいところでしょう。

生活費以外の老後費用3.医療費

高齢になるほど病院での医療を受ける機会は一般的に増えます。日本の公的保険制度は、高齢者の医療費負担が現役世代よりも軽減される仕組みです。

現役世代の医療費自己負担割合が3割なのに対して、70歳から74歳までの人は2割負担、75歳以上の人は1割負担です。

ただし、高齢者でも現役並みの所得がある人は医療費の自己負担割合は3割となります。そのため、高齢者というだけで一律に医療費の自己負担が減るわけではないことに注意しましょう。

また、自己負担割合は減っても医療を受ける機会が増えれば医療費は高額になります。もしものときに発生する医療費を想定しておきましょう。

老後の急な出費にも備えよう

老後は生活費以外にも介護費用や医療費などの急な出費が想定されます。

貯蓄のない人が、受給する年金をすべて生活費に充てていては急な出費に備えることは難しいでしょう。

貯蓄が心もとない人は、早くから老後に備えた資産形成を検討しましょう。

参考資料