4月14日は2ヶ月に1度の年金支給日です。

行楽シーズンも到来し、支給日を待ちわびているシニアも多いことでしょう。

厚生労働省が2023年1月20日に公表した2023年度(令和5年度)の年金額の例によると、年金月額は3年ぶりにプラス改定となる見込みです。

ただし、実際の受給額は個人で異なるもの。

そこで今回は、国民年金と厚生年金に分けて、今のシニアが受給するリアルな年金月額を見ていきます。

老後の計画に役立ててみましょう。

【注目記事】60歳代で「貯蓄4000万円以上」の世帯はどれくらい?平均は2537万円

1. 2023年度からの国民年金と厚生年金

厚生労働省によると、2023年度の年金額の例は次のとおりとなります。

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出所:厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」

  • 国民年金(老齢基礎年金):6万6250円(1人分)※1
  • 厚生年金:22万4482円(夫婦2人分※2)

※1 2023年度の既裁定者(68 歳以上の方)の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額 6万6050円(対前年度比+1234円)。
※2 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

ただし、4月14日支給分は2022年度分なので、決定された年金が支給されるのは2023年6月からです。

2. 「国民年金」みんなはいくら受給しているか

ここからは、実際の年金受給額を見ていきます。

厚生労働省が2022年12月に公表した「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、2021年度末時点の国民年金(老齢基礎年金)受給額事情を見ていきましょう。

2.1 国民年金(老齢基礎年金)の受給額

国民年金の月平均(最新データ)2/3

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

〈全体〉平均年金月額:5万6368円

  • 〈男性〉平均年金月額:5万9013円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万4346円

2.2 受給額ごとの人数

  • 1万円未満:7万27人
  • 1万円以上~2万円未満:28万4152人
  • 2万円以上~3万円未満:90万3006人
  • 3万円以上~4万円未満:274万9550人
  • 4万円以上~5万円未満:463万6048人
  • 5万円以上~6万円未満:791万730人
  • 6万円以上~7万円未満:1500万3006人
  • 7万円以上~:187万2466人

男女ともに、ボリュームゾーンは6万円~7万円未満です。

3. 「厚生年金」みんなはいくら受給しているか

同様に、厚生年金についても見ていきます。

厚生年金とは、国民年金のように一律の保険料を納めるわけではありません。

収入によって保険料が決まるため、多く稼いだ人、長く働いた人は必然的に受給額が高くなる傾向にあります。

そのため、個人差に注目してみましょう。

3.1 厚生年金(老齢厚生年金)の受給額はいくらか

厚生年金の月平均(最新データ)3/3

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

〈全体〉平均年金月額:14万3965円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万3380円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万4686円

※国民年金の金額を含む

3.2 受給額ごとの人数

  • 1万円未満:9万9642人
  • 1万円以上~2万円未満:2万1099人
  • 2万円以上~3万円未満:5万6394人
  • 3万円以上~4万円未満:10万364人
  • 4万円以上~5万円未満:11万1076人
  • 5万円以上~6万円未満:16万3877人
  • 6万円以上~7万円未満:41万6310人
  • 7万円以上~8万円未満:70万7600人
  • 8万円以上~9万円未満:93万7890人
  • 9万円以上~10万円未満:113万5527人
  • 10万円以上~11万円未満:113万5983人
  • 11万円以上~12万円未満:103万7483人
  • 12万円以上~13万円未満:94万5237人
  • 13万円以上~14万円未満:91万8753人
  • 14万円以上~15万円未満:93万9100人
  • 15万円以上~16万円未満:97万1605人
  • 16万円以上~17万円未満:101万5909人
  • 17万円以上~18万円未満:104万2396人
  • 18万円以上~19万円未満:100万5506人
  • 19万円以上~20万円未満:91万7100人
  • 20万円以上~21万円未満:77万5394人
  • 21万円以上~22万円未満:59万3908人
  • 22万円以上~23万円未満:40万9231人
  • 23万円以上~24万円未満:27万4250人
  • 24万円以上~25万円未満:18万1775人
  • 25万円以上~26万円未満:11万4222人
  • 26万円以上~27万円未満:6万8976人
  • 27万円以上~28万円未満:3万9784人
  • 28万円以上~29万円未満:1万9866人
  • 29万円以上~30万円未満:9372人
  • 30万円以上~:1万4816人

平均を見るだけでも男女で6万円の差があることもわかります。

またグラフを見る限り、幅広い受給額に分布しています。厚生年金は現役時代の働き方が大きく影響するため、男女差・個人差が大きくなるのです。

4. 厚生年金と国民年金から天引きされるお金がある

さらに、厚生年金や国民年金からは「天引きされるお金」がある点に注意しましょう。

年金からは税金等が特別徴収されるため、手取り額は上記よりもさらに少なくなります。

ここでは年金から天引きされる3つのお金に注目します。

4.1 介護保険料

40歳からは健康保険料に上乗せして介護保険料を納めますが、65歳以降は単独で支払います。

年金年額が18万円以上の場合、介護保険料は年金から天引きされることになります。

4.2 健康保険料

自営業者が加入する国民健康保険料(税)や、75歳になると全ての人が加入する後期高齢者医療制度の保険料なども、年金から天引きされます。

ただし、市町村によっては申請することで口座振替に変更できるケースもあります。

4.3 個人住民税や所得税

前年中の所得に対してかかる住民税や、年金を含む所得にかかる所得税も、年金から天引きされます。

ただし、遺族年金や障害年金は非課税です。

また所得が一定額に満たない場合は課税されません。

税金や保険料が天引きされることを踏まえると、実際の手取り額は前章で紹介した受給額よりも少なく点に注意しましょう。

5. 年金だけで老後を過ごすことは困難

2023年度(令和5年度)の年金額や、実際に支給された国民年金と厚生年金の金額、さらには年金から天引きされるお金を見ていきました。

想定よりも少ない印象を受けた方も多いのではないでしょうか。

厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」によると、「公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%」の世帯はたった24.9%でした。

残りの75.1%は、稼働所得や財産所得、仕送りや個人年金などで補填していることがわかったのです。

まずはねんきん定期便やねんきんネットなどで目安額を確認し、老後に不足する金額を算出してみましょう。

ざっくりでも把握できると、対策方法が明確になりやすいです。

iDeCoやNISA、あるいは民間の個人年金保険など、老後の備え方はいろいろあります。

老後資金の目標を立て、コツコツと準備を始めていきたいですね。

参考資料