将来の厚生年金がいくら受給できるのか、気になる方は多いのではないでしょうか。
2021年度末時点での厚生年金受給額（老齢基礎年金を含む）の平均は、14万3965円（男性：16万3380円、女性：10万4686円）です。
ただし、約23％の方は月額10万円未満というのが現状です。
年金額が少ない場合、「繰下げ受給」という制度を利用すれば、例えば月額10万円の年金を最大18万4000円に増やすことができます。
ただし、単純に喜べない事情もあるため詳しく見ていきましょう。
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1. 老齢年金の「繰下げ受給」とは
繰下げ受給とは、年金の受給を65歳よりも後に遅らせることで、年金額を増額できる制度のことです。
繰り下げることで、年金の額面は1月あたり0.7％増額できます。
1.1 繰下げ加算額
繰下げ受給をした場合、下記の計算式で受給額が増額します。
増額率 （最大84％※1） ＝ 0.7% × 65歳に達した月※2から繰下げ申出月の前月までの月数※3
※1 昭和27年4月1日以前生まれの方（または平成29年3月31日以前に老齢基礎（厚生）年金を受け取る権利が発生している方）は、繰下げの上限年齢が70歳（権利が発生してから5年後）までとなりますので、増額率は最大で42％となります。
※2 年齢の計算は「年齢計算に関する法律」に基づいて行われ、65歳に達した日は、65歳の誕生日の前日になります。
（例）4月1日生まれの方が65歳に達した日は、誕生日の前日の3月31日となります。
※3 65歳以降に年金を受け取る権利が発生した場合は、年金を受け取る権利が発生した月から繰下げ申出月の前月までの月数で計算します。
