オリックスの株価はSVB(シリコンバレーバンク)の破綻とクレディ・スイスの波及により急落か
2023年3月に入ると、シリコンバレーバンクの破綻やクレディ・スイスの買収がグローバルな金融セクターの株安要因になったと考えられます。
2023年3月24日時点では足元のヘッドラインがオリックスの業績に悪影響を与えるかは不透明ながら、市場の不安心理の高まりを背景にオリックスの株価も急落したと思われるでしょう。
シリコンバレーバンクは業績不振を背景に、米連邦預金保険公社(FDIC)がSVBの預金や銀行資産を管理すると発表。これが実質的な破綻と見なされ、市場心理が急速に悪化したのでしょう。
シリコンバレーバンクは、米国のシリコンバレーのスタートアップを中心にビジネスを展開する銀行でしたが、同様に中小の銀行の経営が悪化するとの懸念が高まったと思われます。
さらに金融セクターの不安に拍車をかけたのが、SVBのニュースの後に発表されたUBSによるクレディ・スイスの買収です。UBSは3月19日にクレディ・スイスを買収する方針であることを発表しています。
クレディ・スイスは大手金融機関の一つですが、アルケゴスの取引において巨額の損失を発生させて以降、業績不振に陥っていました。UBSはこうしたクレディ・スイスを救済する形で買収に乗り出したのです。
UBSの発表によると魅力的な条件で買収ができる見込みであり、UBSの財務基盤の健全性は維持されるとの見通し。また、2027年までに80億米ドル規模のコスト削減を行い、クレディ・スイスの事業を健全化する方針とのことです。
これら二つの要因の金融セクターへの影響はまだ不透明ではありますが、欧米で短期間のうちに金融機関の破綻や買収が報じられたことにより、金融セクターに対する市場心理は悪化し、日本でもさまざま金融セクターの株価が急落したと考えられます。
オリックスもまたリースや銀行、保険などを手掛ける大手金融企業の一角であったため、他の金融セクターの企業と同様に足元のヘッドラインの影響を受けて株価が急落したと思われるでしょう。
株価は金融セクターの動向やオリックスへの影響に注目
オリックスは2023年3月に入って、SVBやクレディ・スイスのニュースを受けて株価が急落したと考えられます。当面は金融セクターにおけるニュースの発信や市場心理の変化に注意が必要です。
一方で、今回の一連の出来事のオリックスに対する影響は現時点で明確ではありません。
今後のオリックスからの発信や決算発表の中で、業績に直接的なインパクトがあるのかどうかを見ていく必要があるでしょう。
参考資料
- オリックス株式会社「2023年3月期第3四半期 決算説明資」
- オリックス株式会社「2023年3月期第2四半期 決算説明資料」
- オリックス株式会社「2023年3月期 第3四半期決算短信〔米国基準〕(連結)」
- Silicon Valley Bank「Silicon Valley Bridge Bank – Open for business」
- UBS「UBS to acquire Credit Suisse」
- CREDIT SUISSE「Archegos info kit」
宮野 茉莉子