オリックス(8591)の株価は2023年初来しばらくは順調に上昇傾向にありましたが、3月に入って急落していて、年初の2100円台の水準まで戻ってしまっています。

2023年2月28日~3月20日の株価の下落率は▲13.6%となっています(終値ベース。以降も特記ない限り終値ベース)。

オリックスの2022年12月末以降の株価の推移(終値ベース:円)2022年12月30日~2023年3月20日

出所:各種資料をもとに筆者作成

オリックスの業績や配当方針には大きな不安はなく、注目されがちな決算発表についても、2023年2月6日に第3四半期決算にて順調な業績を公表するなど、企業の業績に対する不安は見られない状況でした。

しかし、3月に入ると、SVBの破綻やクレディ・スイスの買収など金融業界のニュースを受けて金融株が急落する中で、オリックスの株価も急落したと考えられます。今回はオリックスの株価について見ていきましょう。

※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています。

【オリックスの株価】2023年3月期第3四半期の業績は堅調

オリックスの株価は2023年初から2月末ごろまでは順調に上昇傾向にありました。その時点ではオリックスの業績に対する大きな懸念はなく、むしろ第2四半期の決算と比較すると改善しているようにも見えるでしょう。

たとえば純利益の進捗で見ると、上半期にあたる第2四半期終了時点では1218億円の純利益で前年同期比で見て減益となっていましたが、第3四半期には2114億円で前年同期比で見て増益に回復し、またROEでも第2四半期の7.4%から8.6%に向上しました。

出所:オリックス株式会社「2023年3月期 第3四半期決算短信〔米国基準〕(連結)」

また、内容を見ても輸送機器や不動産などにおいてコロナ禍以降の正常化のトレンドを継続する一方で、コロナ禍に伴う給付金支払いの減少などが増益要因となっています。

特に第2四半期の決算で「保険事業は上期が底」との情報発信があった中、無事保険事業の回復の兆しが見られたことは、投資家に好感されたと考えられるでしょう。