分散投資は世界経済とともに進化してきた
それでは、長く続けるために実用的な分散投資とは、どのようなものでしょうか?
ここでは、世界有数の機関投資家であるノルウェー政府年金基金を例にご説明します。
約160兆円以上の多額の資産を運用するノルウェー政府年金基金の投資対象は世界中に分散しており、資産配分は株式が70%強、債券が約25%、残りが不動産で構成されています。重要なポイントは、株式だけではなく、値動きの異なる資産も組み入れて、リスクを抑えながら長く運用を続けている点です。
このような分散投資の手法は、時代とともに変化してきました。
時代を遡ると、1980年代のアメリカでは、米国株と米国債の組み合わせで運用するのが一般的でした。この時点では、自国の資産のみでポートフォリオを構成していました。
90年代になると、日本やヨーロッパの経済が成長し、投資先はアメリカ以外にも広がっていきました。
続く2000年代には、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)など、当時の新興国への投資が拡大しました。
さらにその後、分散の対象は金や不動産などのオルタナティブ資産と呼ばれる多様な商品にも広がっています。
このように、分散投資における投資先は、経済のグローバル化に伴って大きく変化してきました。