入学や進級のこの時期、働き方について悩む女性も多いのではないでしょうか。

現代は共働きが主流とはいえ、フルタイムよりパートタイムで働く方が多くなっています。

一方で、2022年10月にはパートの社会保険適用が拡大されました。2024年にもさらに拡大予定であり、一定要件を満たすと社会保険加入となる「106万円の壁」を意識する女性も増えるでしょう。

社会保険加入はメリットも多いですが、手取りが減るのが悩ましいところ。働く時間を増やしたくても、今度は家事育児の両立が大変になり簡単にはいかないものです。

今回はコネヒト株式会社がおこなった「年収の壁についてのアンケート」より、パートで働く方の年収の壁に対する意見を見ていきます(有効回答数1553件。2023年3月15日公表)。

扶養内パートの3割「年収の壁を気にせず働きたい」

コネヒト株式会社が現在扶養内で働いている人に「(今後も)扶養内で働きたいか」を聞いたところ、35.5%が「いいえ」と回答しました。

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出所:コネヒト株式会社「年収の壁についてのアンケート」

出所:コネヒト株式会社「年収の壁についてのアンケート」

扶養内で働きたいが6割超な一方で、扶養を気にせずに働きたい人も約3割いることがわかります。

「年収の壁」何が問題?働き控えも

政府は働き控えを防ぐために、「年収の壁」を見直すことを検討しています。

年収の壁には、所得税が発生する「103万円の壁」、社会保険に加入する「130万円の壁」などがあります。

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出所:内閣府男女共同参画書「令和4年版男女共同参画白書」

出所:内閣府男女共同参画書「令和4年版男女共同参画白書」

特に話題になっているのは、一定要件を満たせば社会保険に加入する「106万円の壁」と、扶養から外れて社会保険に加入する「130万円の壁」です。

この2つは社会保険に加入することになるため、自身で厚生年金や健康保険に加入して保険料を支払う必要が出てきます。

厚生年金保険料や健康保険料は会社との折半になりますが、それでも負担額は大きく手取りが減ります。

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出所:厚生労働省「配偶者の扶養の範囲内でお勤めのみなさま」

出所:厚生労働省「配偶者の扶養の範囲内でお勤めのみなさま」

一例として、厚生労働省によればパートで年収120万円の場合、支払う年金保険料は月9000円、年10万8000円です。

今後10年間厚生年金に加入すれば、将来月5000円、年6万円の年金額が増える試算とのこと。公的年金は受給開始から生涯にわたり受け取れるため、メリットは大きいでしょう。

しかし何かとお金がかかる育児中に、年金保険料だけで年約10万円手取り減るのでは、生活が苦しいと感じる方も多いでしょう。

自民党によれば、2022年10月のパートの社会保険適用の拡大により、多くの事業所で「働き控え」が起こり、年末にシフトを回せないといった事態が発生したとのことです。

扶養を気にせず働くために必要なことトップ3

社会保険に加入するメリットもありますが、手取りが減ります。損をしないだけ働く時間を増やせればいいのですが、家事育児により難しいかたも多いでしょう。

先ほどのコネヒト株式会社のアンケートより、扶養を気にせず働くためには何が必要かみていきましょう。

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出所:コネヒト株式会社「年収の壁についてのアンケート」

出所:コネヒト株式会社「年収の壁についてのアンケート」

  • 1位 家族や周囲との協力体制:84.4%
  • 2位 子供の預け先の確保:80.0%
  • 3位 職場の理解:80.0%
  • 4位 控除・手当の撤廃あるいは縮小:40.0%
  • 5位 仕事の経験やスキルアップ:21.1%

同調査によれば、最も多いのは「家族や周囲との協力体制」となっており、1人で仕事と家事育児をまわせないという女性の声を感じます。

注目したいのは、トップ3がいずれも8割以上になっていることです。

周囲の協力だけでなく、預け先の確保や職場の理解といった面も必要とされていることがわかります。

「働き控え」しなければ両立できない家庭も。まずは環境整備を

今回扶養外で働くために必要なトップ3をみても分かる通り、扶養外で働くには制度の変更だけでなく、周囲の協力や子どもの預け先、職場の理解といった環境整備が必要なことがわかりました。

社会保険に加入して減った手取りを取り戻すべく働きたくても、家事育児との両立を考えるとできない女性も多いです。「働き控えをしなければ両立できない」のが現状でしょう。

また、保育園や学童に入れず、働き続けることを断念する女性もいます。

制度の変更にあわせて、育児や仕事環境の整備がより必要とされるでしょう。

参考資料

宮野 茉莉子