2. 日本の年金制度は「賦課方式」年金受給者を支える現役世代の割合は?

先ほどの表では、年齢が高いほど受け取る厚生年金が多いことがわかります。

日本の年金制度は「賦課方式」といって、20歳から60歳の現役世代の納めた保険料を年金受給者に給付する仕組みです。

ときどき「自分の支払った保険料を受け取る」積み立てのように考えている人がいますが、そうではありません。

「現役世代が高齢者へ仕送りをする」というのが、実際のイメージです。近年の日本では少子高齢化が急速に進み、年金受給者と現役世代の人口のバランスが崩れています。

そのため、年齢が若くなるほど年金の受給額が抑えられる仕組みになっており、65歳と80歳では月額約1万円の差となっているのです。

2.1 65歳以上を「15~64歳人口」で支える割合は?

年金受給額は今後の高齢化の進み方によっては、より少なくなることが想定されます。

以下は、1990年からの65歳以上人口と15~64歳人口との比率の推移です(2025年以降は推計値です)。

【65歳以上人口と15~64歳人口との比率の推移】

出所:内閣府「令和4年版高齢社会白書」をもとに筆者作成

65歳以上人口と、15~64歳人口との比率とは、年金受給者を何人の現役世代で支えるかを表す数字です。

1990年にはおよそ6人の現役世代で高齢者1人を支えていました。しかし、現役世代の比率はどんどん少なくなり、2000年には4人に1人、2020年には2人に1人となっています。

65歳以上人口と15~64歳人口との比率の推移を見ると、公的年金制度は維持されるとしても、受け取る年金が減らされるのは避けられないことがわかります。