「業務スーパー」や「肉のハナマサ」といったプロ向けスーパーが注目される理由とは

ジャパンミートや神戸物産に見る業務用スーパー業態分析

ジャパンミートはもともと茨城県で創業した丸八肉店を源流としています。丸八肉店の創業当時は、食肉小売店等の卸売を行っていましたが、1964年に霞ストアー(現カスミ)との取引がはじまり、霞ストアーでの丸八肉店の存在感が高まり、1975年にカスミ畜産を設立するに至りました。その後、1978年に卸売店舗を出店する際に霞ストアーと混同されるのを避けるため、「ジャパンミート」が設立されました。

ジャパンミートは現在「生鮮館」というブランドでホームセンターである「ジョイフル本田」内に精肉や青果、鮮魚などを中心とした店づくりをしています。2017年1月末時点で13店舗あります。「生鮮館」は買い物をされた方はお感じになるかと思いますが、肉の品揃えが十分であることは当然として、商品あたりの量と安さに圧倒されます。

また、「卸売市場」というブランドでは東京23区外の関東圏に単独店舗として9店舗あります。「卸売市場」は「生鮮館」のフォーマットを活用し、ロードサイドの競合店とは品揃えや価格などで差別化を図っている店舗ブランドです。「パワーマート」は北関東の地域密着型店舗を5店舗を展開しています。「卸売市場」 も「パワーマート」の生鮮部門は原則としてジャパンミートの専門部隊で運営されているということが特徴といえるでしょう。

ジャパンミートの2016年7月期の売上高は972億円、営業利益は43億円、営業利益率は4.4%となっています。利益率水準は決算期が異なるために単純な比較はできませんが、「オオゼキ、カスミ、それともイズミ?あなたがよく使う地元スーパーはどこですか」でもみたように比較的高い部類に入るといえるでしょう。

プロ向けスーパーでのインパクトはやはり価格

さて、プロ向けスーパーとして「業務スーパー」や「肉のハナマサ」をご紹介してきましたが、買い物をする立場となるとそれらの店舗で心を動かされるのはまず第一に価格ではないでしょうか。もちろん価格とともに買った商品の内容が伴っていなければ、それ以降リピーターとなることは少ないかと思いますが、価格は店舗との最初の接点としては重要かと思います。

大手GMSの不調が叫ばれる中、地元に密着したスーパーやプロ向けスーパーが注目されるのは、大手GMSの間隙をぬったゲリラ作戦であった低価格戦略が継続的に試せる店舗がより目立ってきていることもあるのではないでしょうか。

ジャパンミートの「生鮮館」や「肉のハナマサ」で精肉の買い物を一度体験してしまうと大手GMSや電鉄系スーパーでの買い物がしにくくなったという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。はじめはプロ向けスーパーには価格で驚かされることが多いのですが、買い物を繰り返していくうちに質もよいということに気付くことが多いからです。

まとめにかえて

いかがでしたでしょうか。今後は少子高齢化も進み、買い物のスタイルも変わってくる可能性は高いです。アマゾン等で簡単に買えるEコマースの在り方にも注目ですが、やはり最後まで近くのスーパーに頼らなければいけないのが生鮮食品であることは間違いありません。生鮮食品に強いスーパーは今後も注目です。

青山 諭志

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執筆者

慶應義塾大学卒業後、国内大手及び外資系大手金融機関に合わせて10年以上勤務し、株式市場を中心にマーケット関連の仕事に従事。その後独立。金融機関では主にアナリストとして企業や産業調査活動に従事。調査内容としてはミクロ・セミマクロが主な分析対象だが、好きなのはマクロ分析。記事で取り扱うテーマはマーケット、企業分析といった株式市場関連の分析や貯蓄といった個人の資産運用(パーソナルファイナンス)を取り扱う。最近は「富の分配」問題や「お金持ち」である富裕層研究にも時間を割いている。その他に興味のある分野はブロックチェーン技術とゲノム(ジーノム)。Twitter:SatooshiX