3.【ENEOSホールディングスの株価】本業の在庫評価除く収支の赤字化が一段安の要因に
2022年の11月に発表された第二四半期では、ENEOSホールディングスが示していた慎重な業績見通しが現実のものとなります。
同社の本業であるエネルギー事業がふるわず、7〜9月の3カ月間で▲883億円の赤字、二四半期累積でも同事業は▲490億円の赤字となりました。
企業全体では黒字は維持したものの、営業利益(在庫影響除き)は前年度の同期比▲520億円の大幅減益に。燃料コストの上昇やナフサなど一部資源の市況悪化などの影響を受けたものと、同社は発表しています。
さらに投資家の懸念材料となったのが、前年度に発生したという製油所トラブルの影響でしょう。
トラブルの削減には取り組んでいるものの、改善に時間を要する部分があると発表しており、当面のENEOSの業績悪化要因となると懸念されます。
このように本業の期中ベースでの赤字化や、トラブルに伴う業績悪化が懸念材料となり、ENEOSホールディングスの株価は一段安になったと考えられます。
監修者
1991年生まれ。新潟県新潟市出身。2022年に株式会社モニクル傘下の株式会社ナビゲータープラットフォームに入社し、現在はメディア事業部・メディアグロース企画推進室マネージャー。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」を中心に、多くの読者の方に幅広いコンテンツを届けるための戦略立案に従事している。
それ以前は、LIMO編集部にてアシスタント・コンテンツマネージャー(ACM)として従事。第一報として報道されるニュースを深堀りし、読者の方が企業財務や金融に対する知的好奇心を満たしたり、客観的データや事実に基づく判断を身に付けられたりできる内容の記事を積極的に発信していた。
入社以前は、株式会社フィスコにて客員アナリストとして約20社を担当し、アナリストレポートを多数執筆。また、営業担当として、IRツール(アナリストレポート、統合報告書、ESGレポートなど)やバーチャル株主総会サービス、株主優待電子化サービスなどもセールス。加えて、財務アドバイザーとしてM&Aや資金調達を提案したほか、上場企業向けにIR全般にわたるコンサルティングも提供。財務アドバイザリーファームからの業務委託で、数千万~数十億円規模の資金調達支援も多数経験。
株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)、オリックス株式会社でも勤務し、中小・中堅企業向け融資を中心に幅広い金融サービスを営業した。株式会社DZHフィナンシャルリサーチでは、日本株アナリストとして上場企業の決算やM&A、資金調達などのニュースと、それを受けた株価の値動きに関する情報・分析を配信。IPOする企業の事業・財務を分析し、初値の予想などに関するレポートを執筆。ロンドン証券取引所傘下のリフィニティブ向けに、週間・月間レポートで、日本株パートを執筆。経済情報番組「日経CNBC」にて毎月電話出演し、相場や株価の状況も解説していた。
新潟県立新津高等学校を経て、2013年に慶応義塾大学商学部を卒業。学部では、岡本大輔研究会にて企業評価論、計量経営学を専攻していた。
最終更新日:2023/11/03