夏休み、やっぱり”鉄道”の旅
夏休みの季節になりました。ご家族で行楽や帰省を予定されている方も多いと思います。でも、もし今年の夏の予定が決まっていないのでしたら、鉄道の旅はいかがでしょうか。
自家用車での旅行は確かに便利ですが、高速道路は混んでいて時間が読めませんし、ドライバーは運転に集中しているため、景色を楽しむこともなかなかできません。その点、鉄道旅行の場合、座席の確保さえできればのんびり居眠りしながらでも移動できます。もちろん車窓の景色も楽しめます。
昨今は自動運転車の実用化が見えてきました。高速道路だけでなく一般道でも自動運転が普及すれば旅行の移動手段も様変わりし、鉄道のあり方も大きく変わっていくのかもしれません。
そうです、鉄道を楽しむなら「今」です。今回はご家族でも、”撮り鉄”さんでも楽しめそうな路線を3つ選んでみました。
第3位:JR西日本 山口線(山口県、島根県)
最初にご紹介したいのはJR西日本の山口線です。新山口と津和野間を走るのがSLやまぐち号です。
実は、2017年9月1日から12月31日まで、山口県では「幕末維新やまぐちデスティネーションキャンペーン」が行われます。お近くの方は9月以降がいいのかもしれませんが、遠方の方はキャンペーン前にはなりますが夏休みを利用してゆっくり旅をするのがよいでしょう。
山口線沿線だけでも、ライトアップが美しい国宝の瑠璃光寺五重塔、常栄寺雪舟庭、津和野城址があり、少し足を延ばすと維新の街である萩、そして秋吉台・秋芳洞が控えています。山口市内には湯田温泉もあります。
さて、写真のSLやまぐち号ですが、鉄道ファンなら今のうちに一度お出かけになることをおすすめします。山口線でSLの運行が再開されて今年で38年になりますが、長年使用されてきた現在の客車が8月27日に引退します。
9月2日以降は新造の客車になりますが、これはさらにレトロな外観になります。また、SLも写真のC57に加えて、秋にはD51(デゴイチ)が復活します。そこでぜひ8月中に現在の客車の雄姿をご覧になり、9月以降にもう一度新しい客車とD51を目当てに出かけてみてはいかがでしょうか。
第2位:小湊鐵道(千葉県)
関東近辺で日帰りを、という方には千葉県の真ん中を東西に横断する小湊鐵道と、それに接続するいすみ鉄道はいかがでしょうか。
小湊鐵道はJR内房線の五井から上総中野を、いすみ鉄道は上総中野からJR外房線の大原を結びます。
両鉄道ともに愛らしいディーゼル列車が出迎えてくれます。沿線は田んぼが続きますが、早稲ですので8月中旬になれば一面黄金色が広がり、旅行情緒が高まるでしょう。
両鉄道にはそれぞれ名物列車があります。小湊鐵道は里山トロッコ列車、いすみ鉄道はムーミン列車と国鉄型気動車です。時間があればぜひ乗車することをおすすめします。
沿線の観光ポイントは、ハイキングコースとして年間を通じて多くの観光客を集める養老渓谷、房総の小江戸と言われる大多喜の街並み、そして高滝湖畔にある市原湖畔美術館などがあります。
都心とは少し違った時間の流れのなかでリフレッシュしたいという方におすすめの鉄道です。ただし、房総半島中央部では列車本数が減りますのでお気をつけください。
第1位:JR東日本 只見線(福島県、新潟県)
さて、もう少し本格的に風景と鉄道を楽しみたいという方には、JR東日本の只見線をおすすめします。
只見線は磐越西線の会津若松と上越線の小出を結ぶ鉄道で、筆者が最も気に入っている”世界に広めたい日本の鉄道原風景”だと考えています。
只見線に乗り、只見川の美しい川面と豊かな森を眺めながらのんびり過ごすのはいかがでしょうか。
只見線は2011年(平成23年)7月の豪雨で被災し、会津若松−会津川口、只見−小出の区間は列車が運行されていますが、会津川口−只見間は代行バスでの運行になっています。復旧方針は決まっていますが、ご旅行の際にはぜひ列車に乗って全線開通のサポートにつなげるとよいのではないでしょうか。
沿線のおすすめスポットもたくさんありますが、個人的に好きな場所は会津柳津駅に近い福満虚空蔵菩薩圓蔵寺と、世界的版画家である斎藤清美術館です。また只見町にはブナ林のハイキングコースがあります。天候と体力を考えて、ぜひいずれかに足を運んでみてください。
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いかがでしたでしょうか。今年の夏、大注目の鉄道に東武鉄道のSL大樹がありますが、これはまたの機会にご案内したいと思います。
それではお気をつけていってらっしゃい。
LIMO編集部