日経平均は反落するも2万8000円台を維持

2023年3月10日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比479円18銭安の2万8143円97銭となりました。前日にダウ工業株30種平均が3日続落したことを受けて、日本株も売られる展開となりました。6営業日ぶりの反落ですが終値ベースで2万8000円台は維持しました。

今週の展開はどうなるでしょうか。10日の米株式市場でダウ平均は、前日比345ドル22セント安の3万1909ドル64セントで終えました。同日には2月の米雇用統計が発表されました。非農業部門の雇用者数は前月に比べ31万1000人増と市場予想(22万5000人増)を上回った一方で、失業率は3.6%と、市場予想(3.4%)より悪化しました。市場ではこの結果を、米連邦準備理事会(FRB)が利上げ幅を拡大するほどではないと受け止め、一時はダウ平均が上昇する場面もありました。

しかし、同日に米中堅金融グループのSVBファイナンシャル・グループで、傘下のシリコンバレーバンクが経営破綻し事業を停止したと発表されました。これを受けて銀行株など金融セクターの銘柄が売られました。日本でも銀行株が下げる可能性があります。

国内では10日に、金融政策決定会合が行われました。2013年から総裁を務めた黒田東彦氏のもとでの最後の会合となりました。国会はすでに、次の総裁として植田和男氏を充てる政府の人事案を承認しています。会合では大きなサプライズはなく現行の金融緩和策を維持しました。

21~22日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が行われます。FRBのパウエル議長が7~8日の議会証言で、利上げを再加速する可能性もあるとしたことから、0.5%の利上げを行うのではないかと警戒感が広がっています。

ここのところの相場で難しいのは、米株と日本株の動きが必ずしも連動していないことです。先週、ダウ平均は続落でしたが、日経平均は週末まで5日続伸でした。海外投資家も日本の割安な銘柄や業績のよい銘柄を個別に物色しているようです。

今週、14日には2月米消費者物価指数(CPI)、15日には2月米小売売上高が発表されます。内容によっては金融株安なども含めた下値圧力になりそうです。