日本の電機産業を代表するともいえる存在となった日本電産。また同社の創業者でもあり社長でもある永守重信氏はエネルギッシュで非常にユニークなマネジメントとして知られています。今回は同社の2018年3月期の第一四半期(Q1)を振り返りながらその背景を見ていきます。
決算はどうだったか
為替前提レートが据え置かれたにもかかわらず(1ドル105円、1ユーロ110円)、上期、通期ともに会社予想が上方修正されました。会社が業績に対して自信を持っているといえるでしょう。
Q1実績は売上高が対前年同期比+24%増、営業利益が同+24%増、親会社の所有者に帰属する四半期純利益(以下、純利益)が同+28%増となり、売上高及び営業利益は四半期として過去最高を更新しています。また、全てのセグメントが、増収、増益を確保しています。
なお、2018年3月期通期の純利益は従来予想の1,250億円から、今回1,270億円に上方修正されました。ただ、上昇修正された水準でも引き続き株式市場の期待値ともいえるIFISコンセンサス(1,305億円)は下回っています。
株式市場は一時的にはがっかりするかもしれませんが、将来的にコンセンサスまで業績が良くなれば、さらに上方修正の余地があるともいえます。為替前提レートが実勢レートよりも円高であるなどから会社予想は保守的と見られるため、過度な懸念は不要といえます。
今後はどこに注目すべきか
投信1編集部では、同社の中期計画である「Vision 2020」(2020 年度売上高2兆円、営業利益率 15%)の達成に向けてのM&A戦略、人材獲得に対する取り組み、働き方改革の進展状況などについて注目しています。
LIMO編集部