2023年度の公的年金は、67歳以下は2.2%増、68歳以上は1.9%増と、3年ぶりの増額となりました。
しかし、足元の物価上昇率と比べると伸びが小さいことから、年金に対する不安は変わらないのではないでしょうか。
個人の工夫や努力で年金を増やしていくことが、より重要となってくるでしょう。
そこで今回、国民年金の未納、未加入、免除期間があることで満額を受給できない人が、60歳になってから年金額を増やす方法をお伝えします。
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1. 国民年金が満額もらえないケース5つ。追納できる期間は?
国民年金は日本国内に住所がある20歳以上60歳未満のすべての人が加入する年金制度です。
原則として国民年金に10年以上加入することで、65歳から老齢基礎年金が受給できます。保険料納付済期間が40年(480ヵ月)を満たしていれば、満額(2023年度は79万5000円)が支給されます。
しかし、「20歳の頃は学生であったため、保険料を納めていなかった」など、さまざまな理由で満額を受給できない人はたくさんいると思います。
なお、20歳以上の学生が強制加入となったのは1991年4月からであり、それまでは任意加入でした。
また、専業主婦も1986年3月までは任意加入であったため、それ以前に専業主婦であった人は未加入である可能性は高いといえます。
1.1<老齢基礎年金の満額がもらえない人>
- 1986年3月以前に任意加入していなかった専業主婦
- 1991年3月以前に任意加入していなかった学生
- 保険料の免除制度・特例制度・納付猶予制度を受けた人※
- 海外に居住していた期間任意加入していなかった人
- その他国民年金保険料を納めていない期間がある人
※第1号被保険者に対する産前産後の保険料免除制度は年金額の減額はありません。
保険料の未納期間がある場合、過去2年分をさかのぼって追納することができます。保険料の免除や納付猶予、学生納付特例を受けた期間がある人は10年前までさかのぼって追納することができます。
このように追納制度があることで、満額まで近づけることができますが、追納しないまま、60歳を迎えてしまった場合でも、年金額を増やすことが可能です。その方法を3つご紹介します。