「働く高齢者の数が過去最多を更新」
最近、結婚する若者の減少や出生率の低下が嘆かれる日本。一方、65歳以上の高齢者の人口数は3627万人、総人口に占める高齢者の割合は29.1%と過去最高を記録しています。(※2022年9月15日時点推計)
働く高齢者の数は2004年以降18年連続で増加し、2021年時点では909万人と過去最多に。高齢者のうち4人にひとりが何らかの形で働いていることになりますね。
ひと昔前は、シニア世代は年金で趣味やライフワークで老後の生活を楽しむ印象がありましたが、今は少し違うようです。
今回は「いまどきシニア・60歳~90歳以上」の年金事情を見ていきます。
【注目記事】60歳代「2000万円以上もっている」本当の割合とは?
1. 【老齢年金】自分が将来受け取れる年金の種類は?~年金制度のおさらい~
まず年金の仕組みをおさらいしながら、自分たちが受け取れる年金の確認をしていきましょう。
日本の公的年金制度は、「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。
それぞれの特徴については以下のとおりです。
1.1 国民年金(1階部分)
- 加入対象:原則日本に住む20歳から60歳未満の方
- 保険料:一律(年度ごとに見直しが行われます)
- 受給要件:加入期間が10年以上(120カ月)以上の場合、原則65歳から受給可能
- 年金額:満額77万7792円(※)×調整率(未納期間がある場合は差し引かれます)
※令和4年度の年額
1.2 厚生年金(2階部分)
- 加入対象:会社員、公務員など
- 保険料:毎月もらっている給与や賞与に、それぞれ保険料率をかけて計算
- 受給要件:国民年金の受給要件を満たす者で、厚生年金の加入期間が1カ月以上ある者
- 年金額:加入期間や支払った保険料に応じて異なります(国民年金に上乗せで支給)
国民年金は、受給要件さえ満たせば誰でも65歳から年金を受け取れるなど、受給対象者の幅が広いです。
しかし、厚生年金については加入対象者が「会社員と公務員などのサラリーマン」となっており、年金を受け取れる対象者が限られていることが分かりますね。
厚生年金の加入対象から外れる、自営業やフリーランスの人は65歳以降に受け取れる年金が「国民年金」のみになります。