5. ドラマは娯楽番組、では相撲は?
ここで、娯楽番組の境界線、娯楽放送会社の規模、について考えてみましょう。
ドラマは娯楽番組に分類されるでしょうし、公職選挙法に基づく政見放送はNHK本体で放送すべきでしょうが、境界線が非常に幅広いのです。
スポーツ番組は娯楽でしょうか。相撲は国技だから別扱いでしょうか。美術品を紹介する番組はどうでしょうか。娯楽番組のようでもありますが、国立の美術館が存在することを考えると、税金でも良いような気もしますね。
NHKの規模についても、大きな問題が生じそうです。現在の受信料は、全員が喜んで払っているわけではありませんから、有料放送になれば「それなら見ない」という人も少なくないでしょう。
そうなると、本体の予算は税金で賄うとしても、今と同じ分量の娯楽番組を作ることはできません。しかし、NHKの職員には生活があります。そこで、当分の間は今と同じ規模の会社として、不足額は税金で補填することが必要になるでしょう。
定年退職に伴う職員数減を待ちながら、制作番組の本数を減らす。そして、税金による補填額を減らしていくとなれば、かなり長期間に補助金を払い続ける必要がありますね。
これも「民業圧迫」と言われかねませんが、長い目で事態の改善を見守ってもらうしかなさそうです。
本稿は、以上です。なお、本稿は厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。
塚崎 公義