世帯構造はこの30年で大きく変化しています。

生涯独身者も増えているなかで、今後は単身で老後を迎える世帯は増えていくことが見込まれています。

ひとり世帯での老後を支えるのは貯蓄と年金ですが、貯蓄と年金だけで生活が出来るのか不安に思う人も多いでしょう。

今回は、現在の70歳代の貯蓄額と厚生年金・国民年金の月額、そして高齢者のひとり世帯の支出額をデータで確認していきます。

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1. 2040年にはひとり世帯が約4割に

厚生労働省の「令和2年版 厚生労働白書」によると、35~39歳における未婚率は1989年に男性19.1%・女性7.5%であったのに対して、2019年には男性35.0%・女性23.9%と増えています。

世帯構造は平成の30年間で大きく変貌しました。

1989年には約4割あった祖父母・父母・子という三世代世帯は約1割へと大幅に減少し、核家族化が進みました。

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出所:厚生労働省「令和2年版 厚生労働白書」

出所:厚生労働省「令和2年版 厚生労働白書」

さらに2040年の時点には、ひとり世帯は4割にのぼると見込まれています。世帯構造は今後も変化し、さらに単身世帯が増えていくと予想されています。

2. 70歳代「ひとり世帯」の貯蓄額の最新データは

では、70歳代ひとり世帯はどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。

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参照:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和4年調査結果」をもとに筆者作成

参照:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和4年調査結果」をもとに筆者作成

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和4年調査結果」でみてみると、70歳代ひとり世帯の貯蓄額は、平均値で1433万円、中央値で485万円でした。

貯蓄額の保有状況をグラフでみると、貯蓄額が多い世帯と貯蓄額が少ない世帯と二極化していることが見てとれます。

70歳代ひとり世帯の28.3%は金融資産がゼロであるのに対して、16.1%は3000万円以上の金融資産を保有しています。

3000万円以上の貯蓄を保有している人が多ければ、平均値が高い値になります。

中央値とは、データを大きい順に並べた時に中央にくる値を指しています。貯蓄額の低い世帯が多ければ中央値は低い値へ近づいていきます。

このため平均値と中央値が乖離しているのです。

3. 70歳代の年金額は?国民年金と厚生年金の平均月額を確認

定年退職したのち給与収入がなくなると、収入源は国民年金や厚生年金に頼る方が多数だと思います。年金の受給額だけで老後の生活が成り立つのか不安を感じている人も多いでしょう。

今の70歳代の人が受給している年金額を確認してみましょう。

厚生労働省年金局のデータを見ると、国民年金と厚生年金の年齢別の平均年金月額は次のとおりです。

令和3年度 70歳代の平均年金月額 (円)3/4

令和3年度 70歳代の平均年金月額 (円)

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

3.1 70歳代の国民年金の平均月額

  • 70~74歳:5万7127円
  • 75~79歳:5万6100円

国民年金は保険料を納付した月数に応じて支給額が決まります。

令和4年6月からの国民年金月額は6万4816円(※)ですが、これは40年(480カ月)保険料を納付した時の受給額です。国民年金加入期間が300カ月なら、支給額は4万510円となります。

(※)参照:日本年金機構「令和4年6月からの年金額」

3.2 70歳代の厚生年金の平均月額

  • 70~74歳:14万4357円
  • 75~79歳:14万8293円

厚生年金の支給額は納付した月数のほか、収入額によって変わります。給与が高い人は年金保険料も高くなり、受給額も多くなるしくみです。

4. 70歳代のひとり世帯の「月の生活費」はいくら?

では、70歳代ひとり世帯の月の生活費はどれくらいでしょうか。

総務省「家計調査報告 家計収支編(2022年)」によると、高齢者(65歳以上)の月額の支出額は14万9208円です。

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出典:総務省「家計調査報告 家計収支編(2022年)」より筆者作成

出典:総務省「家計調査報告 家計収支編(2022年)」より筆者作成

内訳は上記のとおりです。

この額には社会保険料や税金が含まれていません。

また、住んでいる地域や持ち家か貸家かなど、実際の支出額は人それぞれです。自分が老後の生活にいくらかかるのかを試算してみると良いでしょう。

5. 老後資金に不安なときの対策3つ

老後の収入となる年金額と老後の支出額で収支がマイナスになるようであれば、貯蓄や勤務先の退職金、他に保有している資産でまかなえるのか試算してみることが大切です。

もしもカバーできない可能性がみられるなら、今のうちから対策を考える必要があります。

定年後も、働いて収入を得ることは老後の生活を安定させる方法のひとつです。

さらに、65歳から支給される公的年金の受給開始を遅らせることで、本来の年金受給額に所定の割増が適用された年金額を受け取り続けることもできます。

また、今のうちから老後の資産を作ることを考えるのもひとつです。銀行預金の金利は低いままで、いくら預貯金口座に預けてもほとんど資産が増えることは期待できません。

金融商品を運用することで効率的に資産を増やすことができれば、老後資金が底をつくのを防ぎやすくなります。税制面で優遇措置が適用されるNISAやiDeCoを活用するのも選択肢に入れてみると良いでしょう。

運用にはリスクがありますから、しっかりと情報収集をおこなうことも重要です。

6. 70歳代の貯蓄額や年金月額から老後を考えよう

70歳代の貯蓄額や年金受給額を知ると、具体的に老後の生活を設計することができるでしょう。

老後にどのように暮したいのかを想像して、その暮らしを実現できるように対策しましょう。

収入面に不足があり不安を感じるのであれば、情報収集をおこない、今から自分に合った方法でできることを始めていきましょう。

参考資料

高橋 禎美