リタイア前の老後対策2.年金やNISAなどを利用して資産の上乗せに取り組む
60歳以降も働いて収入がある場合、できる範囲で老後資金の上乗せをしましょう。
現行NISAも2024年からの新NISAも年齢制限がないため、積極的に活用したい制度です。
また、国民年金の任意加入者または厚生年金加入者は、60歳以降も65歳になるまでiDeCoの積立ができます。
老後資金準備なのであまり大きな利益を狙わず、物価上昇率以上の運用成果が期待できるリスクを取るとよいでしょう。
リタイア前の老後対策3.運用で資産を増やす
これまでに蓄えた資産や退職金も無理のない範囲で運用して増やしながら取り崩すと、資産の枯渇を先延ばしにできます。
たとえば、1000万円を年率2%で10年間運用すると、税抜き後の運用益が171万3335円、元利合計で1171万3335円となります(金融広報中央委員会の「らくらくシミュレーション」により試算)。
この試算では税率20.3%で算出していますが、NISAを活用すれば約215万円の運用益を全額受け取れます。
リタイア後に向けてできることを考えましょう
以前は65歳というとリタイアして悠々自適な生活を送るイメージでしたが、最近は働く人も珍しくなくなりました。
年金財政の悪化や物価上昇などによる経済的不安や、労働力不足などによって60歳以降も働きやすくなったことなどが原因と考えられます。
老後が不安だとしても対策は可能であり、時間をかければ大きな負担なく準備できます。
理想のセカンドライフをイメージし、実現するための行動を始めてはいかがでしょうか。
参考資料
- 総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2022年(令和4年)12月分及び2022年平均」
- 厚生労働省「2019年国民生活基礎調査の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2021年(令和3年)平均結果の概要」
- 総務省「家計調査年報(家計収支編)2021年家計の概要(総世帯及び単身世帯の家計収支)」
- 総務省「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~」
- 金融広報中央委員会「らくらくシミュレーション」
松田 聡子