75歳以上の高齢夫婦世帯の月の収支は黒字に

一口に高齢者世帯といっても、年齢ごとに家計収支も変化します。高齢2人以上世帯の5歳刻みの家計収支も確認しましょう。

【世帯主の年齢別高齢2人以上世帯の家計収支】

出所:総務省「家計調査年報(家計収支編)2021年家計の概要」より筆者作成

年齢が高くなるごとに消費支出が減少し、家計の赤字が減っています。65~69歳では3万726円の赤字、70~74歳では2万5131円の赤字でしたが、75歳以上の収支は485円の黒字となっています。

高齢になるほど活動が減り、支出も少なくなると考えられます。

リタイア前に今からできる老後対策3つ

現在のような物価上昇が続くと、老後の家計収支はより厳しいものになると考えられます。ここでは、リタイア前に取れる対策を紹介します。

リタイア前の老後対策1.健康なうちは働いて収入を得る

出所:総務省「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の概要」より筆者作成

健康で働けるうちは働いた収入で生活するようにすると、蓄えの取り崩しを先延ばしにできます。さらに厚生年金に加入できると、将来受け取れる年金額も増えて一石二鳥です。

総務省の労働力調査をもとにした60歳以上の就業率の変化を確認すると、2012年は男性46.9%・女性27.8%でしたが、2022年は男性61.0%・女性41.3%となっており、男女ともに働く人が大幅に増加しています。

60歳代前半では男性は80%以上で女性も半数以上が就労し、65歳以上でも全体の約半数が働いています。

高年齢者雇用安定法の改正により、70歳までの就業機会確保が事業主の努力義務となりました。このような環境の変化を上手く活用し、自分に合った方法で働くとよいでしょう。