3. 年金額は実質的には目減りしている

賃金や物価の上昇率からマクロ経済スライドの調整率が引かれるために、賃金や物価の上昇ほど年金額は増えない、つまり、実質的には目減りしていることになります。

2023年度の新規裁定者の国民年金の満額は6万6250 円(月額)となります。

これに対して、2022年調査の65歳以上無職の単身者の生活費(消費支出)は14万3139円となっています。

収入が国民年金だけの人は、約7万7000円の赤字です。不足分を預貯金で賄うとしたら、年間で92万4000円の預貯金を取り崩さなければなりません。

今後もさまざまなものやサービスが値上がりしていくと考えると、生活費はさらに増えていきます。

年金支給額は、マクロ経済スライドによって抑制されるため、大きく増えることが期待できないとなると、老後の生活はますます厳しくなっていくでしょう。