年度末を迎えるこの時期は、4月からの進級や進学、また職場での異動などもあり、マネープランを見直される方もいると思います。

老後の備えが大切と叫ばれている昨今、「貯蓄から投資へ」の時代の流れに乗り遅れないためにも、今年こそ長期での資産形成として「つみたてNISAをはじめよう」と思っている人もいるのではないでしょうか。

2022年12月16日に自民・公明両党が公表した「令和5年度税制改正大綱」では、2024年から始まる予定の新NISA(少額投資非課税)制度について述べられており、従来のNISA制度と比べて制度が拡充されることとなり大きな注目が集まっています。

そこで、今年からつみたてNISAをはじめる人が注意すべきことをまとめました。新NISAへの準備も含めて一緒に見ていきましょう。

つみたてNISAとは。今からはじめる人の注意点2つ

もともと、当時の安倍政権が掲げていた3本の矢における「民間投資を喚起する成長戦略」の1つとして、2018年の1月からこのつみたてNISA制度が始まりました。

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出所:金融庁「つみたてNISAの概要(つみたてNISAとは)」より筆者作成

つみたてNISAは、年間40万円まで、最長20年間にわたって運用益に税金がかからない(非課税)制度です。

40万円×20年間=800万円(最大非課税投資枠)

今からつみたてNISAをはじめるには2つの注意点があります。

今からはじめる人の注意点1.つみたてNISAは残り1年間

つみたてNISAの1つ目の注意点としては、つみたてNISAを利用できるのは今年いっぱいまでということです。

2024年から新NISAがはじまる予定であり、現行のつみたてNISAは2023年12月31日をもって終了となります。

したがって、今年からつみたてNISAを利用したとしても、最大で40万円までしか投資することができないことを理解しておきましょう。

ただ、今年からはじめる人、あるいはこれまでにつみたてNISAを行っていた人も、投資した年から20年間の非課税期間があることには変わりありませんので、この点は安心してください。

また、2024年からは新NISAのつみたて投資枠で積立投資が可能となる予定です。

今からはじめる人の注意点2.「新NISA」制度を理解した上でつみたてNISAをはじめよう

2つ目の注意すべき点として、2024年1月からはじまる「新NISA」制度について理解しておくことです。

先ほどつみたてNISAの制度内容についてお話してきましたが、現行のつみたてNISAと新NISAで根本的な制度の内容自体が変わるわけではありません。

しかしながら「新NISA」では、投資できる金額や非課税となる期間などが大きく見直されていますので、しっかり確認してからはじめましょう。

実際に新NISAの内容について見ていきます。

「新NISA」における2つの投資枠とは

まず、新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が作られます。

具体的には、以下のようなイメージです。

  • つみたてNISAが「つみたて投資枠」へ
  • 一般NISAが「成長投資枠」へ

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出所:金融庁「新しいNISA」

これまでは、つみたてNISAあるいは一般NISAのどちらか一方(年単位での変更は可能)を選んで利用することしかできませんでしたが、「新NISA」ではこの2つの制度が併用できます。

そして、年間の非課税で運用できる投資額も増えます。

  • つみたてNISA(年間40万円)がつみたて投資枠(年間120万円へ)
  • NISA(年間120万円)が成長投資枠(年間240万円へ)

つまり「新NISA」では、つみたて投資枠と成長投資枠の2つを合わせて、年間投資枠が360万円となります。

「新NISA」を利用することで、生涯投資枠が1800万円(成長投資枠の内数は1200万円)となりますので、従来よりも投資可能な金額が大きく拡充されたといえるでしょう。

補足ですが、この1800万円の投資額は生涯となり、1度売却したとしても1800万円の範囲内であれば、改めて非課税枠を再利用できることが大きなメリットです。

期間についても、現行のつみたてNISAでは運用益に対して税金がかからない期間が20年間と決まっていましたが、「新NISA」では非課税での運用期間が恒久化となります。

恒久化とは「ある状態が永く変わらないこと」で、したがって「新NISA」では非課税の期間がずっと続くということです。

一般的に、株式や投資信託などで儲かった運用益に対して、20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかります。しかし、このような国のNISA制度を上手に使うことで、非課税メリットを享受できます。

つみたてNISAを活用しながら「新NISA」に備えよう。シミュレーションも確認

2023年からつみたてNISAをはじめる場合、来年度の「新NISA」制度に向けて投資の準備を整えておくことも大切です。

たとえば、つみたてNISAの場合だと月におよそ3万3333円を積み立てることで、非課税の投資枠である40万円上限をフルに活用することができます。

今後、「新NISA」が始まることでつみたて投資枠がさらに増え、その枠を十分に活用するためにも、余計な出費がないか1度家計の見直しを行い、貯蓄と投資のバランスを考えてみてはいかかでしょうか。

積立投資「月3万円・年率3%・20年間」をシミュレーション

つみたてNISAと新しいNISA制度のつみたて投資を利用した想定で、「月3万円・年率3%・20年間」運用できた場合にはいくらになるのか、シミュレーションを確認しましょう。

シミュレーション内容

  • 運用するお金(元本):月3万円⇒「年間(3万円×12カ月)36万円×20年間(240カ月)=720万円」
  • 想定利回り(年率):3%
  • 運用期間:20年間

※金融庁「資産運用シミュレーション」にて試算

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出所:金融庁「資産運用シミュレーション」にて試算

 

結果は、月3万円の積立てを年率3%でシミュレーションすると、20年後には984万9000円となりました(元本は720万円で、運用収益が264万9000円)。

上記のシミュレーションでは、積み立てた元本と運用益のトータルリターン(合計額)で20年後に最終的な金額が増えています。

年数が経つほど利益が増えていますが、これには複利の効果も影響しているでしょう。複利とは利息に利息がき、雪だるま式にお金が増えていくことです。

あくまで上記は3%で運用できた場合であり、実際には後にならなければ何%で運用できたかはわかりません。

また運用は自己責任となり、リスクがあります。金融商品選びや投資金額選びなどはしっかり行いましょう。

自分に合った資産運用を

本記事では、つみたてNISAを2023年にはじめる人が注意すべき点についてお話してきましたが、制度の面など「ちょっと難しそうだな」と感じている人も少なくないでしょう。

ポイントとしては、つみたてNISAは今年で終了すると同時に、来年から「新NISA」がはじまることを理解したうえで始めるようにしてください。

なお、つみたてNISAを最大限に活用しようとして、無理に非課税枠を使い切る必要はないでしょう。

大切なのは投資額の多さではなく、まずは少額からでもよいので「実践してみる」ことです。

そして、せっかくつみたて投資を始めるのであれば、非課税メリットを享受できるNISA制度を活用して、将来への資産形成を行っていただければと思います。

参考資料