毎年7月20日は「ハンバーガーの日」だと言われると驚かれるかもしれません。でも、「ハンバーガーの日」は知らなかったがハンバーガーは大好きだという方はたくさんいらっしゃると思います。そこで、今回は日本のハンバーガーチェーン店で人気を二分するマクドナルドとモスバーガーを比較してみました。

マックは全国に2,900店舗、モスは約1,400店舗

ハンバーガーチェーン店は私たちの生活に根付いた存在と言えそうです。店舗数を見てみると、マクドナルドは2017年3月末時点で全国に2,900店舗(直営932店舗、フランチャイズ店1,968店舗)。一方、モスバーガーは2017年3月末時点で全国に1,414店舗(直営319店舗、フランチャイズ店1,095店舗)となっています。

ざっくり言うと、マクドナルドはモスバーガーの2倍超の店舗があることになります。マクドナルドの赤と黄色の看板が目につくはずです。

マクドナルドは、大都市だけではなく地方の駅前やロードサイドにも出店しています。また、朝早くから開店していることもあり、地方出張でしっかり朝食をとりたいビジネスマンの中には「飲食店があまりないところで、朝早くからマック(マクド)が開いていて助かった」という経験をした方がいるかもしれません。

また、おいしいハンバーガーを食べたいというのは国内に限った話ではありません。モスバーガーの店舗数の中には海外の店舗も含まれています。1,414店舗のうち52店舗は海外にあり、シンガポールに29店舗、香港に18店舗、タイに5店舗という内訳です。

マックとモスはどちらがお好み?

マクドナルドのハンバーガーは1個100円、一方モスバーガーのハンバーガーは1個220円(どちらも税込)。実にモスバーガーのハンバーガーはマクドナルドのハンバーガーの2倍以上の価格となっています。

この価格差をどう見ればいいでしょうか。単純に材料費などの差として捉えることもできるでしょうし、企業規模、つまり原材料などの調達力という見方もできるでしょう。

ただ、消費者からすれば、価格差と同時に味にどれだけ満足ができるか、また店舗でどれだけ気持ち良く過ごすことができるかということも重要だと思われます。

「ハンバーガーはモス。ハンバーガーとして美味しく、ハンバーガーを食べたいときは迷わずモスバーガー」(30代男性)

「子供の頃から食べていたせいかマックのハンバーガーの味が忘れられない。値段も安いし、基本はハンバーガーを1人で複数個買っている。不祥事以降マックの店舗が近所からなくなったが、温かい物を食べられる店が近所に少ないので正直困っている」(40代男性)

このように、それぞれのハンバーガーにファンがついていることもあり、消費者全般としては安い方が好ましいことも多いでしょうが、価格差が問題にならないケースもありそうです。

また、味の好みはハンバーガーだけのことではないようです。

「ポテトはやっぱりマック。マックのポテトは細切れでサクサクしていて好み。モスのポテトはもっさりしている」(30代男性)

さらに、どうしても小腹がすいて座って作業をしたいという場合なら「平日朝~15時ごろまではマック。平日の15時以降や土日はモス。静かだから」(40代男性)という意見のように、ハンバーガーの価格差よりもゆっくり座れる環境が大事な時もあります。そうした場合には、ハンバーガーの価格差はあまり問題にはならないのではないでしょうか。

既存店売上高に見るマクドナルドの大復活

異物混入などの不祥事によって、マクドナルドから消費者が離れていった時期があることは多くの方が知るところでしょう。ただ、そのマクドナルドの業績の復活には目を見張るものがあります。

下図は会社資料をもとに、2015年1月からの両社の対前年度既存店売上高(%)を見たものです。

グラフから分かるように、マクドナルドは2015年の不祥事による影響を乗り越えて復活を遂げつつあります。2015年年初には既存店の対前年売上高が▲40%近い、まさに顧客離れとも言える危機的状況でしたが、2015年後半以降、足元まで10%超の高い状態が続いています。

一方、モスバーガーは2016年年央まで既存店の対前年売上高は堅調でした。それ以後、多少の凸凹はありますがマイナスに落ち込み、足元は再びプラスに戻りつつあるという状況です。

まとめにかえて

いかがでしたでしょうか。マクドナルドとモスバーガーの比較においてハンバーガーの価格差は気になるところです。ただ、その時に食べたいものや利用する目的によって、都度ハンバーガーチェーン店を選んでいる場合も多いでしょう。

いずれにせよ、良い状況や悪い状況が一巡した、今後の両社のサービス展開が気になります。モス派の方はフレッシュネスバーガーも気になるかもしれませんね。

青山 諭志