東京都と神奈川の中学受験のピークは過ぎましたが、大都市圏を中心に私立中学受験をする小学生が増えています。
少子化の中でも東京の子どもの人口が増えているため、中学受験熱は冷める様子はありません。
限られた枠に入るためには受験対策として塾に入ることが鉄板で、教育費もかさみ、入学後の学費も支払える経済力がないと、中学受験に挑戦することも難しい面があります。
私立中学に通わせるには、どれほどの経済力が必要なのでしょうか。
今回は、私立中学に通う世帯の年収のボリュームゾーンを文部科学省の調査から読み取っていきます。
【私立中学】世帯年収1000万円以上がボリュームゾーン
中学受験する子が増え、親世代の頃に比べると「私立中学に行くのは裕福な家の子だけ」というイメージが和らぎ、私立中学が特別な存在ではなくなりつつあります。
とはいえ、難関や人気の高い私立中学に合格するには塾に通うことが常識となり、とくに受験学年である小学6年生は塾に通う日や季節講習会の日数も増えて月謝も高くなります。
中学受験を考える世帯はどのくらいの年収なのか気になるところです。
文部科学省が2022年12月に公表した「令和3年度子どもの学習費調査」によると、私立中学と公立中学に通う生徒の世帯年収の構成比は以下の通りになりました。
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出所:文部科学省「令和3年度子どもの学習費調査」をもとにLIMO編集部作成
私立中学校
- 400万円未満 3.8%
- 400万円~599万円 6.2%
- 600万円~799万円 15.4%
- 800万円~999万円 16.8%
- 1000万円~1199万円 17.7%
- 1200万円以上 40.1%
公立中学校
- 400万円未満 10.2%
- 400万円~599万円 21.2%
- 600万円~799万円 26.6%
- 800万円~999万円 20.5%
- 1000万円~1199万円 11.3%
- 1200万円以上 10.3%
公立中学と私立中学を比較してみると、中学受験者が増加しているなかでも私立中学に通う生徒の世帯年収1000万円以上がボリュームゾーンになっています。
私立中学に通うと公立中学の2.7倍かかる
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出所:文部科学省「令和3年度子どもの学習費調査」
私立中学に通う生徒の過半数以上が世間一般でいう高所得世帯となり、まだまだ敷居が高いことが分かります。
それでは公立中学に通えばお金はほとんどかからないのでしょうか。
現実はそうではありません。
私立のように授業料はかかりませんが、通塾費を含む学校外活動費も高く、学校の給食費や修学旅行などの学校での活動費も発生します。
公立中学に通う生徒の1年間の学習費総額は以下の通りの内訳になりました。
- 学校教育費 13万2349円
- 学校給食費 3万7650円
- 学校外活動費 36万8780円
総額53万8799円と月額4万5000円程度かかっています。
一方、私立中では授業料の支払いもあるので学校教育費が高くなっています。
- 学校教育費 106万1350円
- 学校給食費 7227円
- 学校外活動費 36万7776円
総額143万6353円と公立中学の2.7倍の毎月約12万円かかることになります。
小学生からかかる教育費
中学受験する子の多くが塾通いをしており、私立中学に通う前からまとまった教育費が発生します。
文部科学省の「子どもの学習費調査」では、学年ごとの補助学習費も調査しています。
公私立問わず通塾が増えると言われる小学4年生から金額も増加しています。
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文部科学省「世帯の年間収入段階別 項目別経費の構成比 (1)学習費総額」
公立小学校
- 小学1年 8万1474円
- 小学2年 6万7135円
- 小学3年 8万8450円
- 小学4年 11万6525円
- 小学5年 16万6695円
- 小学6年 19万7039円
私立小学校
- 小学1年 29万501円
- 小学2年 20万2710円
- 小学3年 29万89円
- 小学4年 39万6777円
- 小学5年 53万6696円
- 小学6年 55万8836円
全国平均のため、首都圏や近畿圏に住み中学受験を目指している家庭で実際にかかる月謝代よりも低くなっていますが、小学1年生から3年生の三年間と比べても小学4年生以降の補助学習費の増額は顕著です。
中学受験に向けて小学4年生から塾通いする子が増えており、中学受験は「小学生後半三年間の教育費と進学後の学費」を一括りにして考える必要があります。
中学受験が全てではない
全国各地に私立中学はありますが、地方の場合は全国的に有名な難関中学も限られており、率先して私立中学を目指す家庭は少ないです。
しかし、地方にも存在する公立中高一貫校を志望する場合でも、大都市圏と同じように塾に通い合格を目指す子が多く、国公私立どの中学校を目指しても教育費がかかるのは避けられません。
塾に通い始めるタイミングや志望校の学費などを念入りに調べて家計に負担とならないよう気をつけましょう。
そして、中学受験させる多くの親は、子どもが大学進学するものだと考えています。
大学受験や大学在学中は最もお金がかかるため、「中学受験や私立中学に進学させても大学に行かせることができるか」という視点も忘れないようにしてください。
参考資料
中山 まち子
