東京都の小池百合子知事は2023年1月4日、少子化対策として都内に住む0〜18歳の子ども1人に月5000円を給付する方針を明らかにしたと各種メディアで報じられました。

まとまった費用がかかる、三大支出の一つ「教育資金」。

少し前の調査にはなりますが、東京都の「平成29年度東京都福祉保健基礎調査「東京の子供と家庭」」によれば、子育て世帯の世帯年収で最も多いのは「600万円〜800万円未満」です。

この世帯収入は、子育て世帯が生活するのに十分な収入なのでしょうか。

また、共働き世帯と片働き世帯では世帯収入にどれだけの差があるのでしょうか。

東京の子育て世帯の収入について見ていきましょう。

東京の子育て世帯の年収はいくらか「共働き・片働き別」に確認

まずは東京の子育て世帯の世帯年収について確認しましょう。

東京都の「平成29年度東京都福祉保健基礎調査「東京の子供と家庭」」は、小学生までの子供を養育する3318世帯、および20歳未満の子供を養育するひとり親543世帯を合わせた3861世帯(その父母(養育者)7179人と子供6762人)の調査を行っています。

同調査によると、東京の子育て世帯の年間収入は以下のとおりです。

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出所:東京都「平成29年度東京都福祉保健基礎調査「東京の子供と家庭」」

出所:東京都「平成29年度東京都福祉保健基礎調査「東京の子供と家庭」」

子育て世帯の年間収入として、最も多いのは全体の約2割を占める「600万円〜800万円未満」の世帯でした。

また、1000万円以上の年間収入がある世帯は約2割です。

共働き世帯に占める年収1000万円の割合

子育て世帯のうち共働き世帯では、「600万円〜800万円未満」の世帯が全体の22.8%と最も高い割合を占めます。

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出所:東京都「平成29年度東京都福祉保健基礎調査「東京の子供と家庭」」

出所:東京都「平成29年度東京都福祉保健基礎調査「東京の子供と家庭」」

一方で、年間収入1000万円以上の世帯は28.5%でした。

内訳は以下のとおりです。

  • 1000万円~1200万円未満:13.8%
  • 1200万円~1500万円未満:8.3%
  • 1500万円以上:6.3%

全体よりも年間収入1000万円以上の世帯割合が多い結果となりました。

片働き世帯に占める年収1000万円の割合

片働き世帯も同様に「600万円〜800万円未満」の世帯が全体の22.0%と最も高い割合を占めます。

年間収入1000万円以上の世帯は18.0%でした。

共働き世帯より少ないものの、全体の約2割の世帯が年間収入1000万円以上となっています。

東京の子育て世帯に必要な費用

東京は子育てにかかる費用が高いイメージがあるかもしれません。

2020年12月16日に公表された東京地方労働組合評議会の「東京都最低生計費試算調査結果」によると、2019年の子育て世帯で教育費を含む最低生活費(東京都練馬区在住モデル)は税込みで以下の通りです。

  • 30代世帯(30代夫婦、小学生と幼稚園児の4人家族):648万3516円
  • 40代世帯(40代夫婦、中学生と小学生の4人家族):743万9856円
  • 50代世帯(50代夫婦、大学生と高校生の4人家族):964万3416円

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出所:東京地方労働組合評議会「東京都最低生計費試算調査結果」

出所:東京地方労働組合評議会「東京都最低生計費試算調査結果」

子どもの成長に伴い教育費が増加し、50代世帯では1000万円近い生活費が必要となっています。

東京の子育て世帯で1000万円以上の年間収入がある世帯は約2割ですので、残りの8割の世帯では年間支出が赤字となる可能性があるでしょう。

東京の子育て世帯の所得は高めか

では、全体の子育て世帯の平均的な収入はどれくらいでしょうか。

厚生労働省の「2021年国民生活基礎調査の概況」によると、全国の児童のいる世帯の平均所得金額は、2020年時点で813万5000円です。

しかし、所得金額階級別・世帯数の相対度数分布によれば、全体の世帯の平均所得金額は564万3000円、中央値は440万円となっています。

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出所:厚生労働省「2021年国民生活基礎調査の概況」

出所:厚生労働省「2021年国民生活基礎調査の概況」

上記は児童のいない世帯を含む全体の結果ですが、実態に近い中央値は平均値よりも小さいことが分かります。

また、上のグラフを見てわかる通り、全体では平均所得金額564万3000円以下の世帯が61.5%を占めています。

東京の子育て世帯で最も大きな割合を占めるのは「600万円〜800万円未満」の世帯となっており、全国と比較すると、東京の子育て世帯の年間収入は高いと予想されるでしょう。

収入に見合った納得のいく選択をする

東京の子育て世帯は世帯収入が1000万円を超える世帯は全体の2割に達します。

しかし、東京は全国と比較して、支出も同様に高いと考えられるでしょう。

たとえば教育費は公立や私立、地域によっても異なります。

参考までに、生命保険文化センターによれば、2021年度の私立中学校に通う割合は東京都が最も多く25.2%です。

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出所:生命保険文化センター「私立中学校に通う割合はどの程度?」

出所:生命保険文化センター「私立中学校に通う割合はどの程度?」

世帯収入を大きく超える教育費を支出すると、家計が慢性的な赤字に陥る可能性があります。

子どもの希望や教育水準を考慮しながらも、老後までの生活も考え、世帯収入に見合った教育や生活水準を選択するといいでしょう。

参考資料

LIMO編集部