4. 年金の受給額を増やす方法2つ
ひとりの老後生活についてみてきましたが、最後に少しでも年金の受給額を増やすためにできることを検討しましょう。
4.1 年金の受給額を増やす方法1.繰下げ受給
厚生年金の受給開始は60歳ですが、1年以上遅らせることで、1カ月当たりの年金額が増加します。
増額率は以下の計算式で計算されます。
増額率=0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数
最大の75歳まで繰り下げれば増額率は84%です。ただし本当に得になるかは個人差があるので慎重に検討しましょう。
4.2 年金の受給額を増やす方法2.iDeCo
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、自分で拠出した掛金を自分で選んだ金融商品で運用し、資産を形成する私的年金制度です。
掛金は全額所得控除の対象となっています。
公的年金にあわせて、私的年金で備えるのも一つでしょう。
5. まとめにかえて
厚生年金月15万円で生活するのは可能ですが、個人差が大きく、また生活費以外に旅行やレジャー、病気や介護費用なども必要となります。
ひとりの老後に向けて、現役時代から老後に受給できる年金の種類や金額を把握しておくことは大切でしょう。
また、ご自身に合った老後資金に備える方法について情報収集を行うといいでしょう。
参考資料
LIMO編集部
執筆者
LIMO編集部は、経済や金融、資産運用等をテーマとし、金融機関勤務経験者の編集者が中心となり、情報発信を行っています。またメディア経験者の編集者がキャリア、トラベル、SDGs、ショッピング、SNSなどについて話題となっているニュースの背景を解説しています。当編集部はファンドマネージャーや証券アナリスト、証券会社・メガバンク・信託銀行にて資産運用アドバイザー、調査会社アナリスト、ファッション誌編集長、地方自治体職員等の経験者で構成されています。編集スタッフの金融機関勤務経験年数は延べ49年(589か月)で、メンバーが勤務していた金融機関は、野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、日興証券、三菱UFJ銀行、三井住友信託銀行、日本生命、フィデリティ投信などがある。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、第一種外務員(証券外務員一種)、FP2級、AFP等の資格保有者が複数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。株式会社モニクルリサーチが運営(最新更新日:2024年9月30日)。
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集長/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元証券会社社員
経歴と保有資格
1984年生まれ。東京女子大学哲学科卒業後、2008年に野村證券株式会社に入社。支店にてファイナンシャル・コンサルティング課に配属され、国内外株式、国内外の債券、投資信託、保険商品などの販売を通じ、主に富裕層や個人顧客向けに資産運用コンサルティング業務に従事し、顧客のライフプランに寄り添った提案を行った。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
得意ジャンル
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する「くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~」編集長。LIMOでは厚生労働省、金融庁、総務省、財務省(国税庁)といった官公庁の公開情報など、信頼性の高い情報をもとに厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、キャリアなどをテーマに企画・編集・執筆を行う。3児のひとり親。中学・高校社会科(公民)教員免許保有(2024年8月20日更新)。