富裕層とは?その定義を確認
富裕層の明確な定義は決まっているわけではありません。
2020年12月21日に公表された、野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計」によれば、野村総合研究所は世帯の純金融資産保有額1億円以上5億円未満を「富裕層」と定義しています。
また、カナダの大手証券会社RBCウェルス・マネジメントは、富裕層について「主たる住居、回収可能債権、消耗品、および耐久消費財を除き、100万米ドル以上の投資資産を持つ個人」※と定義しています。
※出所:キャップジェミニおよび RBC ウェルス・マネジメント「アジア・パシフィック地域は世界トップの富裕層市場として、その地位を確立」
上記の他にさまざまな金融期間等が「富裕層」の定義を公表していますが、日本国内の富裕層に言及する場合、野村総合研究所がマーケットの分類に用いる「1億円以上5億円未満」が定義とされることが多いようです。
富裕層の世帯数や資産規模は増加傾向へ。その推移を見る。
先ほどの野村総合研究所の資料によれば、2019年時点で純金融資産保有額1億円以上5億円未満の「富裕層」が124万世帯、5億円以上の「超富裕層」が8万7000世帯、合計132万7000世帯です。
2005年から2019年にかけてみると、富裕層の世帯数および資産規模は基本的に増加しています。
リーマン・ショックの翌年2009年を境に、超富裕層や富裕層、準富裕層などの世帯数や資産規模が基本的に増加しているのが分かります。
その一因として、第二次安倍政権下の「アベノミクス」の時期と重なり、株式等の保有資産が恩恵を受けたとも予測されるでしょう。
また、少子高齢化やそれに伴う遺産相続の増加などにより、しばらくは富裕層の世帯数や資産規模が増加する可能性があります。
一方でマス層の世帯数も多く、かつて「一億総中流」と言われた日本ですが、貧富の格差は広がっていると言えそうです。