3. 「繰上げ受給&繰下げ受給」やっている人はどのくらいいるのか

ここまで、年金の「繰上げ受給」と「繰下げ受給」の利点・盲点を整理しました。では実際にこれらの制度を活用している人はどれくらいいるのでしょうか。

厚生労働省が公表した「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、以下のような結果となっています。

出所:厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

《新法厚生年金保険(老齢厚生年金)》

  • 繰り上げ:0.6%
  • 本来:98.3%
  • 繰り下げ:1.2%

出所:厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

《国民年金》

  • 繰り上げ:11.2%
  • 本来:87.0%
  • 繰り下げ:1.8%

国民年金こそ全体の約1割が繰上げ受給をしているという結果が出ていますが、厚生年金に関してはほとんどの方が本来の65歳から受給しているようです。

まとめにかえて

繰上げ受給も繰下げ受給も、一度選択してしまうとそれを取り消すことはできません。

自分のライフスタイルにおいて、何歳から年金を受給し始めるのが良いかを事前にシミュレーションできたらよいですね。

繰上げ受給、繰下げ受給、どちらにも利点と盲点があります。片面にだけ囚われるのではなく、トータルで考えて自分にとってベストな選択をしましょう。

参考資料

荻野 樹