4. 老後破産を避けるには?
「老後破産」という言葉をしばしば見聞きしますね。
老後のお金について、「なんとかなるだろう」「年金があるから大丈夫」といった、楽観的なビジョンはやや注意したほうがよいかもしれません。長生き時代を見据え、自分自身でしっかりと資産を増やしていく視点も必要でしょう。
「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」などの税制優遇制度を活用して、資産運用にトライしてみるのも一案ですね。
「資産運用」に、みなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。「難しそう」とか、「お金持ちがやっている」といった印象を持つ方も少なくないでしょう。
ここで、日本銀行調査統計局の「資産循環の日米欧比較(図表2 家計の金融資産構成)」のデータを見てみましょう。
一般家庭が保有する資産の「現金・預金」(預貯金)と、「債務証券・投資信託・株式」(資産運用)の割合を、日本・米国・ユーロエリアで比較したものです。
《現金・預金》
- 日本:54.3%
- 米国:13.3%
- ユーロエリア:34.3%
《債務証券・投資信託・株式等》
- 日本:15.7%
- 米国:55.2%
- ユーロエリア:29.6%
欧米、特に米国では、富裕層に限らず一般家庭においても資産運用は馴染みのあるものといえるでしょう。日本人は預貯金に信頼を寄せ、資産運用を十分身近なものとして実感できていない傾向があることが読み取れます。
そんな中、2022年度から高校の家庭科の授業では「資産形成」の授業がスタートしています。
もちろん、預貯金をしっかりと保有することも大切です。しかし「超低金利時代」と叫ばれるこんにち。預貯金だけでは、効率よく資産を増やすことは難しいといえます。
まずは情報収集をして、自分に合った資産運用に取り組んでみましょう。その一歩を踏み出すことで、老後は大きく変わってくるはずです。
参考資料
荻野 樹