3.55歳で始めたい【定年前のラストスパート3か条】

では、55歳から定年前のラストスパートで何をすべきか、具体的に解説していきます。

3.1 【第1条】将来の「年金収入」と「支出」を長期目線で把握する

まず、定年後にいくらの年金収入があるのか「ねんきん定期便」などで把握しておきましょう。そして、今の生活水準を続けた場合、日々の支出は年金だけでまかなえるでしょうか。

日々の支出が赤字になれば、赤字分を貯蓄から取り崩すこととなります。
赤字を防ぐには、現実的に2つの方法があります。

  1. 日々の支出を年金以内に抑える=生活コストを抑える
  2. 収入を増やす=退職時期を遅らせる

退職時期に伴い、年金受給開始時期を遅らせると将来的な年金受給額も多くなります。
一方で、生活コストを抑えたとて、インフレによって10年後、20年後の出費は上がっている可能性もあります。
そのため、健康なうちはなるべく働き続けて収入を増やすことが理想だといえるでしょう。

3.2【第2条】保有資産をきちんと把握をする

次に、自分の資産を今一度きちんと把握することが大切です。例えば、複数の銀行口座や証券口座を持っている場合、それぞれにいくらあるのか確認しておきましょう。

金融機関の口座に1円でも残っている場合は、相続の際に遺された家族が手続きに困るため、自分と家族のためにも口座を整理しておきましょう。

また、なんとなくコツコツ積立てている貯蓄型保険なども内容を改めて確認しておきましょう。いつまで保険料を支払い、いつからいくらもらえるのでしょうか。

大昔に契約した保険であれば、積立利率が高い可能性があり、思っているより大きな資金が戻ってくるかもしれません。

この他、不動産や所有品など、資産価値のあるものについては必要性などを考えて家族と相談し、処分や贈与または相続のことも考えておくといいですね。