12月15日は年内最後の年金支給日です。公的年金は2カ月分がまとめて支給されるため、毎月定期的に収入があった現役時代とは家計管理のペースも変わってきますね。
加えて、年金額は「世帯単位」で把握しておくことが大切です。厚生年金のモデル年金を受け取る「標準的な夫婦世帯」では、1回の年金支給日に約46万5000円という大きな金額が振り込まれることに。
「46万円」という数字だけを聞くと安心感があるかもしれませんが、これはもちろん「夫婦2人分の2カ月分の年金」です。また、世帯それぞれの家計収支、さらに税・社会保険料の天引きを考えると「決して多くはない」と考える人もいるかもしれません。
年末年始は家計を整理し、翌年に向けたマネープランを練る重要な時期です。
今回は、この「標準的な夫婦世帯」の年金額はどのような条件で成り立つのか、内訳を詳しく解説し、老後資金の現実的な水準を探っていきます。
さらに2025年6月の年金制度改正に盛り込まれた、「iDeCo加入年齢上限の引き上げ」にもフォーカス。働き盛り世代のみなさんが、公的年金・私的年金への関心、そして老後に向けた資産形成を意識するきっかけになればと思います。
1. 公的年金額は毎年度見直されます。2025年度は1.9%のプラス改定でした
公的年金は、毎年物価や賃金の変動を反映して見直されています。2025年度の年金額は、前年度より1.9%引き上げられています。
公表された年金額例を見ると、国民年金(老齢基礎年金)の満額は月額6万9308円となっています。
また、厚生年金は、モデルケース「厚生年金を受け取る会社員の夫+国民年金を受け取る妻」の世帯の場合、月額23万2784円です。
この標準的な夫婦世帯の場合、12月15日の年金支給日に、ふたりで「約46万円」を受け取ることになります。ただしこれはあくまでも「額面」の年金額。税金・社会保険料という、「天引きされるお金」の存在も忘れてはなりません。
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
