年収1,000万円はサラリーマンの夢。その年収を手にするのは運でしょうか、それもとも個人の実力でしょうか。今回はその点について考えてみましょう。
年収1,000万円の人はどれくらいいるのか
国税庁が2016年9月に発表した平成27年度分の「民間給与実態統計調査」によれば、1年を通じて勤務したサラリーマンの1人当たりの平均給与は420 万円(男性521万円、女性276万円)とされています。平均給与を見ると年収1,000万にはほど遠いことが分かります。
サラリーマンの憧れとも言える年収1,000万円。この水準以上に稼いでいる人はというと、サラリーマンの約4%にすぎません。
有名企業の年収はおいくらか
「名の知れた大企業の従業員であれば年収1,000万くらいは普通にもらってるだろう」とお考えの方も多いのではないでしょうか?そこで、有名企業の年収とそれを手にできる年齢を見ていくことにしましょう。
ただ、有名企業といっても基準が明確ではありません。ここは株式市場において時価総額が大きい企業をピックアップして見ていくことにしましょう。直近の有価証券報告書を参考にしています。
まずは、日本の製造業の代表格、トヨタ自動車(7203)はどうでしょうか。
トヨタ自動車の単体でみると、平均年間給与は852万円(平均年齢39.0歳)とされています。トヨタ自動車でも平均値は1,000万円には届いていません。
続いて、日本の金融業を代表する。三菱東京UFJ銀行について見てみましょう。上場しているのは三菱東京フィナンシャル・グループ(8306)ですが、銀行としての給与をイメージしやすくするためにここでは三菱東京UFJ銀行の給与についてみてみます。
三菱東京UFJ銀行の単体で見ると、平均年間給与は774万円(平均年齢37.9歳)となっています。トヨタ自動車同様に1,000万には届いていません。
では、通信事業ではどうでしょうか。auなどを展開するKDDI(9433)について見てみましょう。
KDDI単体で見ると、平均年間給与は953万円(平均年齢42.2歳)となっています。トヨタ自動車や三菱東京UFJ銀行よりも平均年齢が高いですが、給与水準は1,000万円に近づいています。国内中心に事業が安定していることが従業員の高水準の収入を実現できているのでしょうか。
最後に、センサー大手のキーエンス(6861)を見てみましょう。同社は生産ラインの自動化などには欠かせないセンサーやそのソリューションを提供する企業で、知る人ぞ知る高収益企業です。
キーエンス単体で見ると平均年齢36.1歳で平均年間給与が1,862万円と、平均年齢が40歳を下回りながらも年収は2,000万円近くとなっています。
同社は、営業成績など自身のパフォーマンス次第で高給を得られるということで、向上心が高い就活生の間では有名な企業ですが、今回ご紹介したデータはそれを裏付けるものです。
入社後の競争が厳しい企業でも、自分の仕事の成果が年収により反映されるモデルは魅力的に見えます。