3. 「ねんきん定期便」から分かること

公的年金の受給額は、年金加入期間や収入などにより人それぞれです。「ねんきんネット」や、誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」でしっかり確認しておきましょう。

出所:「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和4年度送付分)

50歳未満の方に送られる「ねんきん定期便」には、これまでの加入実績に応じた年金額が記載されています。

出所:「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和4年度送付分)

50歳以上の人に送られるねんきん定期便では、「実際の見込額」が確認できるようになります。

4. 「年金振込通知書」の中身をチェック!

さて、「ねんきん定期便」に記載される年金額見込み額は、いわゆる「額面」です。受給がスタートして、実際に振り込まれる年金額は「年金振込通知書」に記載されています。

会社員や公務員が受け取る毎月の給与は、総支給額(額面)と実際の振込額(手取り)に差がありますね。これは、老後の年金についても同様です。

実際に振込通知書がどのように記載されているのか、詳しく見ていきましょう。

出所:日本年金機構「年金振込通知書」

4.1 チェック項目その1:年金支払額

年金は偶数月に2カ月分が支給されます。ここに記載のある金額は、あくまで各種控除を行う前の「総支給額」となります。

4.2 チェック項目その2:介護保険料額

今までに給与天引きされていた「介護保険料」も年金から控除されます。

4.3 チェック項目その3:後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)

介護保険料と同様に、後期高齢者医療保険料や国民健康保険料(税)が天引きされます。ただし、天引き対象でない場合には記載がありません。

4.4 チェック項目その4:所得税額および復興特別所得税額

年金に応じた所得税額および復興特別所得税額が天引きされます。社会保険料と各種控除額を差し引いた後の額に5.105%の税率を掛けた額が記載されています。

年金に所得税が課税される場合も、年金からの天引きで納税します。

総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」によると、無職の夫婦世帯の場合、社会保障給付(年金)21万6519円に対し、直接税1万2109円、社会保険料1万8529円がかかります。

また無職の単身世帯の場合では、社会保障給付12万470円から税金と社会保険料が約1万2000円天引きされています。

4.5 チェック項目その5:個人住民税

所得税と同様に、個人住民税も天引きとなります。

4.6 チェック項目その6:控除後振込額

ここに記載の金額が、各種控除後の実際の振込額となります。

これだけの金額が天引きされると、実際に手元にはどれくらいの金額が残るのか非常に不安になってしまうのではないでしょうか。