3. 商船三井と日本郵船の株式、その魅力とリスクとは
商船三井と日本郵船の株式の魅力としては、配当利回りの高さが挙げられるでしょう。
2023年1月中旬時点で両社とも配当利回り(会社予想)16%を超えており、配当の高さに魅力を感じる方は多いと思います。
この一因として、主力事業の一つであるコンテナ船運賃の高騰が挙げられます。
コンテナ船運賃は英バルチック海運取引所が発表する、外航不定期船の運賃指数である「バルチック海運指数」を確認すると、2021年に入り高騰しているのがわかります。
それに伴い、商船三井や日本郵船の株価も上がっているのがわかります。
商船三井の「2023年3月期第一四半期決算短信」によれば、持分法適用会社であるONE社でスポット賃率が大幅に上回り、これまでの運賃の高値推移を反映した長期契約も損益を押し上げ、前年同期比で大幅な増益となったと公表されています。
しかし、バルチック海運指数は2022年夏以降下落しており、商船三井と日本郵船ともに株価が一時下落した後、それ以降はもみ合いの状態が続いています。
日本郵船「2023年3月期 第2四半期決算短信」によれば、定期船事業のコンテナ船部門について通期では高水準の利益を維持する見込みなものの、上期半ばからスポット運賃が下落しONE社の事業環境が変わりつつあり、下期も輸送需要の減退による運賃市況の下落の継続を想定するとしています。
「海運バブル」とも言われたように、運賃は一時高騰したものの下落しているため、今後は業績の悪化や減配といったリスクも考えておきましょう。