2023年1月11日に発表された、株式会社グッピーズ2023年8月期第1四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社グッピーズ 代表取締役 肥田義光 氏

1 2023/8期1Q決算実績概要

肥田義光氏:2023年1月11日に発表した、決算説明資料の補足内容をお伝えします。ご覧の順番でご説明させていただきます。まずは決算概要です。

1-1. 2023年8月期1Q実績

2023年8月期第1四半期の実績ですが、売上高は前年同期比35.6パーセント増の5.4億円、営業利益は前年同期比59.6パーセント増の1.8億円となりました。

増加の要因としては、人材サービス事業が好調であることが挙げられます。またヘルスケア事業については、売上高が前年同期比30.1パーセント減となっていますが、こちらは健康保険組合連合会の契約見直しによるもので、当期見通しにも織り込まれています。

1-2.セグメント別実績

セグメント別の業績はご覧のとおりです。左の図の人材サービス事業については順調に成⻑しています。

右の図のヘルスケア事業については、利用事業者数が増加しているものの、売上構成の大きい健康保険組合連合会との契約が2022年4月より変更になった影響で減少しています。

1-3. 人材サービス事業:KPI

左の折れ線グラフは、平均クリック単価の推移を表しています。これはポイント消費による売上高を、クリック数で割ったものです。

広告運用の改善によって、1求人当たりのクリック数が増加した結果、1クリック単価が減少しました。スカウトに代表される付加価値サービスの利用量が減少したわけではありません。

右のグラフは求人件数と消費法人数の推移です。現在は横ばいの状況ですが、今後は1応募あたりの費用を減少させていくことで求人件数を増加させていく予定です。

1-4. 2023年8月期1Q BS

2023年8月期第1四半期のバランスシートはご覧のとおりです。株式上場に伴う増資の影響で純資産が増加しました。自己資本比率は75.5パーセントとなっています。

今後は増資により得たキャッシュを人件費や広告宣伝費に充当し、さらなる成⻑につなげていきます。

2 2023/8期決算見通し

続いて決算見通しです。

2-1. 2023年8月期業績見通し

決算見通しについては、2022年8月期決算発表時の見通しを据え置いています。2023年8月期は上場後初めての期ですので、今までの実績をベースに下方修正を出さないという考えのもと、達成可能性を重視した業績見通しを公表しています。

全体では引き続き増収増益を見込んでいます。売上高は前年対比18.9パーセント増加の22億円、営業利益は前年対比10.5パーセント増加の5.2億円、経常利益は前年対比7.3パーセント増加の5.2億円を見込んでいます。

セグメント別にみると、人材サービス事業は22.6パーセントの成長を見込んでいます。ヘルスケア事業は減収となっていますが、これは健康保険組合連合会の契約見直しによるもので、利用法人数自体は増加しています。利用法人数についてはスライド16ページをご覧ください。

2-2. 2023年8月期 想定営業利益の分析

2023年8月期の営業利益の増減要因について、ご説明します。増益要因は、人材サービス事業の成⻑により3.5億円です。減益要因は、人員増により1億円、広告運用強化により1.2億円、その他費用で7,000万円となっています。この結果、営業利益は2022年8月期の4.7億円から5,000万円増加の5.2億円を見込んでいます。

2-3. 業績見通しの前提(従来見通しを据え置き)

第1四半期は1求人当たりのクリック数が増加した結果、1クリック単価が減少しました。

今後は応募単価(求職者から1応募を得るまでにかかる費用)を減少させることで、求人数を伸ばしていく予定です。求人数が増加すれば求職者へのアプローチが加速し、スカウト等の付加価値サービスの利用量も増加しますので、見通しの想定に近づいていくと予想しています。

3 成長戦略

ここからは成⻑戦略をご説明します。

3-1.3つの成長戦略

成⻑戦略は3つの柱があります。まず1つ目は⻭科人材サービスの付加価値拡大です。

3-2.歯科業界の顧客開拓・集客の強化

当社は特定の⻭科医院に売上を頼るわけではなく、幅広く⻭科医院に利用されています。

左の図は私たちの顧客である⻭科医院が2022年8月期で年間どれくらいのポイントを購入したかの分布図です。60パーセントの⻭科医院が年10万円未満のポイント購入額となっています。

年間ポイント購入金額が10万円以上の顧客には、サポート体制強化による顧客満足度の向上で取引拡大を目指します。年間ポイント購入金額が10万円以下の法人には、より早く多数の応募を獲得するために、スカウトなどの付加価値サービスの利用促進による取引拡大を目指しています。

右の図をご覧ください。ROASというのは「かけた広告費に対する売上をパーセントで表したもの」です。中期的な目標としては、ROASが240パーセントとなるように運用改善を行っていきます。これによりクリック数増加と同時に利益率の向上を見込んでいます。

3-3.閲覧課金の付加価値拡大

1クリック当たりの付加価値単価は左図のとおり推移しています。主な要因は、登録している求職者にスカウトを送るサービスです。2023年8月期第1四半期はスライド10ページでもご説明したとおり、1求人当たりのクリック数が増加したことで20.4円まで低下しました。付加価値単価については、サービスの強化により30円を中期的な目標としています。

スカウトについては、2022年8月期は顧客の30.6パーセントの医院さまにご利用いただいていますが、機能改善やプロモーションにより中期的には47パーセントの医院さまにご利用いただくことを目標にしています。それ以外にも求人作成サポートやオプション広告、医院紹介動画など付加価値向上のためのサービスを拡大しています。

3-4.歯科周辺ビジネスへの参入

成⻑戦略の2つ目の柱は、⻭科医院の顧客基盤を活かし、⻭科医院向けサービスを強化していくことです。⻭科医院の大きな課題は2つあり、1つは人材の採用、もう1つは患者さんの集客です。

⻭科医院とのつながりを活かし、2023年8月期は、集患プラットフォーム・サービスの展開を行うことで、⻭科業界へのさらなる進出を狙います。

3-5.イベント開催でヘルスケア事業の顧客拡大

3つ目の柱は、ヘルスケア事業を拡大することです。2022年10月に開催した当社健康管理アプリを使ったウォークラリーイベントには500の事業者さま、1.6万人の従業員に参加いただきました。このようなイベントを定期的に開催することをきっかけに、受注獲得につなげたいと考えています。

中期目標としてはできるだけ早期に500社との契約獲得を達成することです。現在のヘルスケア事業は赤字セグメントではありますが、2025年8月期の黒字化を見込んでいます。

3-6.経営指標

主要経営指標はご覧のとおりです。人材サービスは累計求人数、ヘルスケア事業は利用事業者数、全体的には売上高成⻑率、経常利益率等を重視しています。

4 Appendix

最後にAppendixとして、過去にご説明した資料を載せています。

ミッション

当社の事業内容を一言で言うなら「⻭科領域に強みをもつITサービスカンパニー」です。ミッションは「Goodな発想で、世界をHappyに。」です。

事業内容

事業内容は、人材サービス事業、ヘルスケア事業の2つのセグメントとなっています。

人材サービス事業では、医療・介護・福祉業界に特化した求人サイトを運営しています。ヘルスケア事業では、健康管理アプリを提供しています。売上構成は人材サービス事業がおよそ9割で、5年ほど前にスタートしたヘルスケア事業はおよそ1割となっています。

人材サービス事業:中途向けサービス

中途向けサービスでは、⻭科医師・⻭科衛生士・⻭科技工士等の⻭科業界に強みを有しており、⻭科業界向けの閲覧課金売上が9割以上を占めています。

人材サービス事業:閲覧課金の仕組み

閲覧課金について補足してご説明します。求人広告を出す法人は、プリペイド方式で、ポイントを購入します。ポイントを購入すると求人サイト上に求人を掲載でき、求職者が求人をクリックすると120ポイント、120円が消費されます。

「Google」や「Yahoo!」のリスティング広告のクリック課金と同様な仕組みですが、異なるのは入札制ではなく、1クリックは120円と固定料金で、しかも低料金であることです。

人材サービス事業:歯科業界での実績

当社の人材サービス事業は、⻭科業界に強みをもっています。左の図のとおり、⻭科医師、⻭科衛生士、⻭科技工士の⻭科3職種の求職者会員登録者数は、毎年概ね1万人ほど増加し、ユニークユーザー数でも5年で2倍以上増加しています。

一方、右の図のとおり、⻭科3職種の会員登録者数は、全資格者の19.8パーセントを占めており、⻭科業界において一定のプレゼンスを有するとともに、まだ、大きな開拓の余地が残されていると考えています。

人材サービス事業:新卒向けサービス

新卒向けサービスは「就職サイト」と「就職情報誌」に求人を掲載できるサービスです。採用年度ごと10万円の期間掲載型の固定料金です。また、医療・介護・福祉業界は国家資格が必要な職種が多く、学生向けに国家試験対策アプリも提供しています。特に⻭科衛生士を目指す学生のおよそ8割がこのアプリを利用し、学生との接点獲得につながっています。

ヘルスケア事業

ヘルスケア事業についてご説明します。当社は19種類の機能が1つになった健康管理アプリを提供しています。企業向けには、従業員が、歩いたり、体重や食事を記録したりすると「健康ポイント」を獲得することができる福利厚生サービスを提供しています。また、当アプリは自治体向けにも、法人向けと同様な機能で住⺠の健康づくりをサポートするサービスを提供しています。

2022年8月期は155の企業、健康保険組合、自治体にご利用いただいています。企業・自治体では1年間で2倍以上増加しています。

3つの強み

ここからは我々のサービスの3つの特徴・強みについてご説明します。まず1つ目は「ユニークなサービスポジション」です。

ユニークなサービスポジション

当社と類似したサービスとしては、例えば、多業種を幅広く扱うアルバイト求人サイトや、エージェントを使った人材紹介サービスなどが存在します。

私たちの求人サイトの最大の特徴は「業種に特化」し、しかも「閲覧課金」の求人広告ビジネスということです。閲覧課金は単価が安いために、より多くの求人者と求職者を集める必要があります。⻭科業界において当社が一定のプレゼンスを有する中、参入障壁は高いと考えています。このように、大手の求人サイトや人材紹介の成果報酬型とは差別化したポジションを取っています。

ユニークなポジションを実現できる背景

業種特化型の閲覧課金は求人者、求職者ともにメリットのあるサービスです。求人者は低コストで専門職へリーチすることができます。求職者は新鮮な、数多くの求人の中から選ぶことができます。

人材紹介のように、コストが高いという不満や、成功報酬型の求人サイトのように古い求人がいつまでも掲載されているようなことはありません。このように、業種特化型かつ閲覧課金型であることにより、求人者・求職者、当社の三方よしが実現しています。

歯科業界における高い認知度と評価

2つ目の特徴・強みである、⻭科業界における高い認知度と評価についてご説明します。

今まで、⻭科業界にフォーカスし、プラットフォームを強化してきました。全国の⻭科医院のおよそ30パーセントが当社の求人サイトに登録しています。現時点で1万9,000法人以上のアカウントを発行しています。そして求人数も過去5年で、年平均およそ20パーセントの成⻑をしています。このことから⻭科医院から評価を得ている事がわかります。

求職者のエンゲージメントを最大化させるサービスラインナップ

特徴・強みの3つ目、最後は求職者のエンゲージメントを最大化させるサービスラインナップです。当社は学生時代から「国家試験対策」と「就職活動」のサービスを提供し、認知度の向上を図っています。学生時代から会員化し、卒業後の転職の際に、当社求人サイトを利用してもらえるように取り組んでいます。

当社の概要についてご説明させていただきました。

沿革

最後に沿革です。

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