厚生労働省は「国民お一人お一人、『ねんきんネット』等を活用しながら、高齢期の生活設計に思いを巡らしていただく日」として、平成26年度から毎年11月30日(いいみらい)を「年金の日」としています。
筆者は元信用金庫職員ですが、偶数月の15日は、窓口やATMに年金を引き出しに来店されるお客様が多かったことを思い出します。
2019年に金融庁が発表した「老後2000万円問題」。
年金だけでは老後の生活費が不足して、平均的な生活を維持するには2000万円の追加資金が必要というものです。
年金だけで老後生活が不安なのであれば、キャリアアップによる収入増加、毎月の固定費を削減して貯蓄や資産運用をしたりする自助努力が必要になります。
では、特に所得が低い年金受給者を対象に「年金生活者支援給付金」という制度があるのを知っているでしょうか。
本記事では、年金生活者支援給付金の支給要件や給付額について解説していきます。
1. 年金に上乗せ支給「年金生活者支援給付金」の支給要件とは?種類別にチェック
年金生活者支援給付金は、「老齢年金・障害年金・遺族年金」の受給をしている人のうち、一定の要件を満たす方が対象となります。
それぞれの要件について、次章にて確認していきましょう。
1.1 「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
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前年の公的年金等の収入金額※1とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下※2
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
1.2 「障害年金生活者支援給付金」の支給要件
- 障害基礎年金の受給者
- 前年の所得※1が472万1000円※2以下
※1 障害年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まない
※2 扶養親族等の数に応じて増額
1.3 「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件
- 遺族基礎年金の受給者
- 前年の所得※1が472万1000円※2以下
※1 遺族年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まない
※2 扶養親族等の数に応じて増額
では、年金生活者支援給付金の金額はどれくらいなのか。次章で確認していきます。