5. 老後の「1カ月あたりの収入」理想はいくら?

総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)-2021年(令和3年)-(Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支)」によると、65歳以上の無職夫婦世帯に必要な1カ月の収入は25万5100円です。

出所:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)-2021年(令和3年)-(Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支)」

内訳をみると社会保険料や税金などで3万664円、個人の支出で22万4436円となっています。

ただし、支出のうち住居費は1万6498円で仕分けられており、賃貸派の方は+数万円の支出増を見込んでおく必要があります。

固定資産税や老朽化したマイホームの修繕費などを平均すると、持ち家でも1ヵ月あたり1万6000円では足りないという方も珍しくないでしょう。

出所:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)-2021年(令和3年)-(Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支)」

単身世帯も同様にみていくと、1ヵ月にかかる支出は14万4747円となっています。

結婚することが当たり前という時代ではなくなってきていることや、「熟年離婚」という言葉がすっかり市民権を得たことからも「老後をむかえるタイミングで単身」というケースは増えていくかもしれません。

老後は年金からの収入が大部分を占めることになりますから、基本的には年金額の範囲内に支出を抑えるよう意識して生活することになります。

現実的にはもう少しかかるであろう住居費や老後生活のゆとりを考えると、自分ひとりでも月30万円程度の収入がほしいのが本音という人も多いのではないでしょうか。

6. まとめにかえて

公的年金だけでは、どうしても受給できる金額に限りがあります。

老後資金を国民ひとりひとりが自分で準備するために、iDeCoやつみたてNISAなどの制度も導入されています。

また、認知症などでの介護資金にも対策が必要ですから、毎月自分が貯金に回せるお金をどう割り振っていくかが重要な鍵となるでしょう。

参考資料

尾崎 絵実